英検が2022年度の検定料値下げ 経費削減や準会場の協力で費用捻出

日本英語検定協会は英検など実用英語技能検定の2022年度受検料を値下げすることを決めた。日本英語検定協会は2021年度に新型コロナウイルス感染防止対策を理由に受検料を値上げしたが、高校生らから不満が続出し、インターネット上で受検料値下げを求める署名集めが起きていた。

日本英語検定協会によると、受検料を引き下げるのは、英検のほか、英検S-CBT、英検S-Interview。引き下げ幅は試験内容によって異なるが、英検の個人受検の場合は1級が現在の1万2,600円から1万1,800円、準1級が1万700円から9,800円、2級が9,700円から8,400円など、400~1,300円の幅で引き下げられる。

英検S-CBTは準1級が現在の1万200円から9,900円、2級が9,200円から9,000円、英検S-Interviewは1級が現在の1万2,100円から1万1,900円、準1級が1万200円から9,900円、2級が9,200円から9,000円となる。

日本英語検定協会は受検料を引き上げたあと、英検で試験日程の増加や最適な試験会場の確保、一般受検生の準会場受け入れなど、英検S-CBTできめ細かな需給調整によるテストセンター稼働率の向上、プロセス改善などに取り組んできた。

その結果、コロナ禍前と同様に受検生を人数制限することなく、全員の受検を実現した。さらに、経費節減などの効果で今後の収支見通しがおおよそ立ったとして、受検料を引き下げることにした。

インターネット上のキャンペーンサイト「Change.org」で英検値上げに抗議する署名集めをしていた高校3年生の女性は「経済状況の違いによる教育機会の差が解消の方向に一歩向かったことをうれしく思う」とコメントした。署名集めには3万人以上が賛同している。

参考:

【日本英語検定協会】「令和4年度大学入学者選抜での新型コロナウイルス感染症対策に伴う個別学力検査の追試等の対応状況(PDF)

【Change.org】教育格差を広げる #英検の値上げに抗議します

© 大学ジャーナルオンライン