全国高校駅伝 女子・諫早 2年ぶり8位入賞 男子・松浦 悔しい29位

女子第2中継所。諫早の2区水谷(右)が3区川口へ6位でたすきリレー(写真左)、男子第3中継所。松浦の3区川原(右)から4区吉浦へたすきリレー=京都市

 男子第72回、女子第33回全国高校駅伝大会は26日、京都市のたけびしスタジアム京都発着コース(男子7区間42.195キロ、女子5区間21.0975キロ)で行われ、長崎県勢は女子の諫早が1時間9分54秒で8位入賞を果たした。諫早は8位だった2019年大会以来、2年ぶりの入賞。男子の松浦は2時間8分29秒で29位だった。
 女子の諫早は1区蔦野が積極的なレースで15位発進。主将の2区水谷が9人を抜いて6位に浮上し、3区川口が4位まで順位を上げた。以降の4区野村、5区田中も入賞圏内を維持した。男子の松浦は1区でエース網本が30位と出遅れたが、2区以降は粘ってゴールまでに一つ順位を上げた。
 男女とも都道府県代表の47校が出場。男子は世羅(広島)が大会歴代2位となる2時間1分21秒で2年連続11度目の優勝を飾り、自校の持つ最多優勝記録を更新した。女子は仙台育英(宮城)が1区から独走態勢を築き、1時間7分16秒で2年ぶり、歴代最多となる5度目の優勝を果たした。

◎女子・諫早 大健闘のレース
 大健闘の8位だった。女子の諫早が序盤で流れに乗り、2年ぶりの入賞をつかんだ。15位でたすきを受けた主将の2区水谷が区間3位タイ、3区川口が区間2位で走破。この3年生2人で11人を抜き去り、第3中継所までに4位に浮上した。水谷の「走りでチームを引っ張らないといけないと思っていた」という言葉通りに、最上級生が伝統校のたすきを入賞圏内に押し上げた。
 同級生が駅伝シーズンを待たずに部活動を引退する中、最後まで残った2人。互いに夏場は調子を落としていたが、常に駅伝を見据えて練習を続けてきた。「自分のところで1秒でも早くつなごうと思っていた」(川口)。3年間の思いを走りで表現した。
 1、2年生メンバーの力も大きかった。1区蔦野は号砲直後から3位集団を引っ張る形でレースを進め、区間15位ながら入賞ラインまで9秒差、2位まで25秒差という好位置でつないだ。4区を任された1年生の野村は走るたびに記録を縮め、チーム内競争を活性化させてきた。
 右すねの故障で練習再開が大会2週間前だったアンカー田中は、後続の追い上げを振り切って入賞を死守した。9位北九州市立(福岡)との差はわずか3秒。ゴール後は崩れ落ち、しばらく動けなかった。それぐらい一人一人が力を出し切って勝ち取った全国8位の賞状だった。

◎男子・松浦 悔しい29位
 4度目の都大路挑戦もほろ苦い結果となった。男子の松浦は序盤の出遅れが響き、2時間8分29秒の29位でフィニッシュ。チーム最高だった2018年の23位を上回れず、目標に掲げていた県高校記録(2時間5分36秒)にも届かなかった。主将の吉浦は「チーム自体の調子は良かったけれど、他が強かった」と潔く“敗戦”を認めた。
 区間上位を狙っていた1区網本は10番手あたりの好位置で競技場を飛び出したが、1キロ付近で力のある選手たちに前を譲ると、その後は「厳しい展開になった」。設定タイムから1分以上遅れ、チームが描いていたレースプランが狂った。
 それでも、吉浦は「そこでずるずる行くことなく、最後まで集中を切らさずにたすきをつなぐことはできた」と厳しい結果にも胸を張る。2区小川は一つ順位を落としたものの、想定通りの走りでまとめ、3区以降は粘り強く20位台を守った。
 ここ3年間、チームの柱だった網本と吉浦が卒業するため、松浦にとっては一つの区切りとなった今大会。次のエースとして期待される1年生の川原が、チームの今後を見据えて言った。「誰かがつまずいても、他の誰かで挽回できるようなチーム力がないと勝てない。一つ一つの練習を取り組み方から見直す」。悔しさを持ち帰り、一から再出発する。

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