【お正月】日本のお正月料理「おせち料理」ってどんなもの?

多くの日本人はお正月、自宅で過ごします。遠方に住んでいる人も年末年始にかけて帰省し、家族と一緒にお正月を過ごすのが一般的です。

そんなお正月に食べるのが、おせち料理です。

おせち料理とは?

おせち料理というのは、お正月に食べるごちそうのことです。

年末にまとめて料理して、三が日の間はこれを食べるので、おせちには保存のきく料理を詰めることが多いです。

「お正月から火を使用して、火の神様を怒らせないため」、「お正月から火事を出さないため」、「みんなが家事せずに休むため」など、おせち料理を作るようになった理由には諸説あります。

そして、さまざまな食材で作られた数々の料理には、ひとつひとつに意味が込められています。

おせち料理の中身

おせち料理になにを入れるかは、地域や家庭によって違いがあります。

重箱に詰めるのが普通と考える日本人は多いですが、そうなったのは明治以降のことだそうです。家庭では大皿に盛ったりすることもあります。

ここでは一般的なおせち料理のそれぞれの名前と意味をご紹介します。

数の子

ニシンの卵を塩漬けにしたもの。
ニシンは「鰊」と書きますが、「二親」という漢字をあてて「二親から多くの子が出るように」、子宝や子孫繁栄を意味する縁起物として食べられます。

黒豆

「くろまめ」と読みます。黒豆とは黒大豆を、しわが寄らないようにふっくら炊き上げたもので、ほんのり甘いです。
「まめ」は元々、健康・丈夫を意味する言葉。現代では「真面目に」という意味もあります。「まめ」を「豆」にかけて、新しい年も「まめ(=健康・真面目)」に過ごせますように、働けますようにという意味で食べます。

田作り(ごまめ)

干したカタクチイワシの稚魚を甘辛く煮たもの。
魚なのに何故「田を作る」と書くのでしょうか。昔、田んぼの肥料にカタクチイワシを始めとする小魚が使われていたのだそうです。カタクチイワシを肥料にした田んぼはよく米がとれたことから、五穀豊穣の願いを込めてお正月料理として食べられます。

「ごまめ」とも言われますが、それはごまのような目がたくさんあるところから付いた呼び名なのだそうです。

栗きんとん

蒸したさつまいもをつぶした餡に、栗の甘露煮を合わせた料理。
「きんとん」は金の団子、または金の布団、という意味。金の塊に見立てて、商売繁盛や金運をもたらすものとして食べられています。

甘くてお菓子のようなので、子供が好きなおせち料理の一つです。

昆布巻き

ニシンなどの魚を昆布で巻いて、甘辛く煮しめた料理。
「昆布」は「こぶ」と読み、「よろこぶ」という言葉に通じる縁起物です。新しい年もたくさん「よろこぶ」1年になりますように、との願いが込められています。

伊達巻き

伊達巻きは、卵に魚のすり身、みりんなどを混ぜ、厚焼きにした卵焼きを巻いたもの。
「伊達」というのは洒落者、おしゃれなことを意味するので、めでたいお正月に華やかさを添えるという意味でおせち料理に入れられます。

巻物(日本の古い本のようなもの)に形が似ていることから、知恵を授かるようにという願いがあるという説も。

紅白かまぼこ

かまぼこは魚のすり身を固めて蒸したもの。
形が日の出の太陽に似ていることから祝い膳に使われるようになりました。おせち料理では特に初日の出を意味します。

紅白は、日本で古来から祝い事の象徴として使われてきた色の組み合わせ。何故赤と白なのか、由来については諸説ありますが、赤(紅)は邪気を祓い、慶びやめでたさの象徴、白は神聖さや清らかさを意味するのだそうです。

海老

海老の形や長いひげがあることから、「ひげが長くなり、腰が曲がるまで」という、健康で長生きできますようにとの願いが込められています。

なます

大根と人参を細く切って酢漬けにしたもの。おめでたいとされる紅白の色を表しています。
この他にも、まだまださまざまな種類の料理が「おせち」に入ります。地域や家庭によって内容が異なるのも、おせち料理の面白いところです。

気軽におせち

おせち料理は家庭で手作りするものでしたが、近年ではその膨大な手間や、昔のように家で過ごす人が減ったこともあってか、食べたいものを数種類だけ作ることにしたり、おせち料理そのものを買ってくるという家庭が増えています。

デパートでは毎年11月ごろになると、おせち料理の予約が始まり、スーパーでは、年末になるとお惣菜コーナーに栗きんとんや田作り、昆布巻きなどが並びます。

ホテルでも、お正月の朝食バイキングのラインナップにおせち料理の何品かが並ぶところもあるようです。

年末年始を日本で過ごすなら、気軽におせちに触れられる機会があるので、是非トライしてみてくださいね。

© 株式会社MATCHA