【「映画演劇 サクセス荘」連載・第1回】高橋健介&髙木俊&小西詠斗が明かす撮影秘話とは!?「S4たちが難なくやり切ったことは非常に腹立たしいです(笑)」

2.5次元舞台で活躍する人気俳優陣が、“本番一発勝負”の収録に挑み繰り広げられる思いもよらない展開が人気を博した新感覚ドラマ「テレビ演劇 サクセス荘」(テレビ東京ほか)。2019年7月にスタートし、21年1月クールに放送された3期までさまざまなハプニングや奇跡、出演陣の絆で視聴者を魅了してきましたが、このたび、その集大成として映画化! 「映画演劇 サクセス荘」と題し、12月31日より公開されます。

映画版では、成功を夢見る若者たちが住んでいるサクセス荘に、セレブ集団・通称 S4(佐藤流司、北園涼、橋本祥平、北村諒)が乗り込んできて立ち退きを命じ…というストーリーで、もちろんこちらも95分の一発撮り! ですが、裏ではやはり集大成にふさわしいハプニングが起きていたようで!?

ということで、撮影秘話を探るべく、本作で奮闘した出演者の中から9人の皆さんを直撃取材。3人ずつ全3回のインタビュー連載を敢行します。第1回は、弁護士を目指すミスター役の高橋健介さん、南極料理人になりたいユッキー役の髙木俊さん、マジシャンを夢見るケニー役の小西詠斗さんにご登場いただきます。それぞれの役柄をイメージした決めポーズの写真とあわせてご覧ください!
(連載・第2回はこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1272054/
(連載・第3回はこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1272145/

――今回、ついに映画となった「サクセス荘」ですが、映画の尺である95分の一発撮りはいかがでしたか?

高橋 「キャストも豪華ですごくうれしくて楽しかったんですけど、めちゃくちゃ疲れましたね。今までのドラマ版の収録はなんだったんだというくらい(笑)。撮影時間が長いので覚えるセリフの量も3倍ですし、出演者も多いので、自分が出ていてもセリフがない時にどう動くか、ハプニングが起きた時にどう対応するか…というように、ずっと気を張っている状態で大変でした。でも、集中して楽しくできたんじゃないかな」

小西 「僕もすごく疲れました。撮影する前は恐怖でしかなかったのですが、すごい先輩方ばかりなので、何をやっても対応してくださるだろうという思いもあって、実際はあまり緊張せずにできたと思います」

髙木 「この2年間、夢で『舞台の稽古をしていないのに、もう本番だ!』という内容をよく見るんです(笑)。今回は特にその感覚で。でも、撮影現場に来たら『サクセス荘』を一緒に3期までやってきたメンバーたちはもちろん、ゲスト陣も本当に頼もしい方ばかりだったので、怖いというよりは、みんな何にでも対応してくれるだろうという安心感がありましたね」

――髙木さんと高橋さんは、作中でフォローにまわっているイメージです。

高橋 「それでいうと、本当にフォローしているのはシュンリーさん(髙木の愛称)です(笑)。視聴者の皆さまには、僕がフォローしているように見えるかもしれないですけど、役者から見ると『やっぱりシュンリーさんだよね』とみんな感じていると思います」

髙木 「でも、やっぱり…シュンリーさんですよね(笑)」

――自他ともに認めるフォロー力ということで(笑)。ちなみに、自ら事を起こされている方はいましたか?

髙木 「今回は撮影時間が長かったので、みんな控えていたかなと(笑)。要所要所で、周りに迷惑を掛けないように、自分で回収できる分のネタを仕込む人はいましたけど、基本的にはみんな台本に忠実にやっていたような気がします」

――ということは、ドラマ版と比べると大きなハプニングはなさそうですか?

高橋 「あ、でもやっぱりアンテナ(有澤樟太郎)は“持っている男”だなとあらためて思いました(笑)。あと、出演シーンでセットも変わったんですけど、詠斗が演じるケニーは、S4が用意した檻(おり)の中にとらわれているうちの1人だったんだよね?」

小西 「そうなんですよ! 今回はセットが二つあって、僕は檻の中にいることが多かったんです(笑)。もう一つのセットの方での撮影時間が長かったので、声だけ聞こえてくる状態で。盛り上がっている声やアクシデントが起きていそうな声が聞こえてくるので、何が起きているのかすっごく気になっていました! (取材当時は)出来上がりをまだ見れていないので、すごく楽しみです」

――有澤さん演じるアンテナと、檻のシーンが気になりますね!(笑)。他に、ファンの方々に注目して見てほしい部分はありますか?

髙木 「S4のメンバーを演じる皆さんは初めての一発撮りだったので、すごく緊張していたんですよ。『本当に途中で止めないんですか!? 一発撮りなんですか!?』って何回も確認していたほど(笑)。そんな中でも、一発撮りをやり遂げた緊張感を見てほしいですね」

――髙木さんや高橋さんは3シーズンやられていて、「サクセス荘」の一発撮りに関してはベテランですもんね。

高橋 「それでいうと、僕たちは3シーズンやってきてようやく得たものもたくさんある中で、S4たちが難なく1回でやり切ったことに関しては非常に腹立たしいです(笑)」

――皆さんが積み上げてきたものを…(笑)。

高橋 「そうなんです!!」

髙木 「あと、ノブ(高野洸)が帰ってきたことも見どころかな! 成功して夢をかなえた彼の姿を見てもらいたいです」

高橋 「お客さまも喜んでいると思うんですけど、本編中で、僕らの本当に喜んでいる姿も見られると思います(笑)」

小西 「あとは、S4と『サクセス荘』の住人たちのバトルが始まるんですけど、『サクセス荘』側の団結力や友情がどうなっていくのかを見ていただきたいですね。ちなみに、S4のキャラが濃くて、僕も近くで見ていてすごく面白かったので、そこも楽しみにしていてください!」

――たくさんの見どころをありがとうございます! 19年7月にドラマがスタートしてから、今回の「映画演劇 サクセス荘」までに2年半がたちましたが、1期のスタート時から、ご自身が成長したなと感じられる点はありますか?

高橋 「常日頃から『サクセス荘』っていろんなことが起きているんですよ。で、本編後の反省会やファンの方を呼んでのイベントなどがあるので、その時にちゃんとお話しできるように、起きたことやハプニングを覚えておくための記憶力が良くなったなと思いました(笑)。視聴者の皆さまはもちろん、近くで見てくれているスタッフさんたちにも毎回ウケてほしいので、なるべくホットな話題を提供できるようにと思っています」

小西 「僕は、自分では成長しているか分からないのですが…先輩たちとちょっとずつ話せるようになってきました(笑)」

高橋 「詠斗は、実はこの撮影現場で誰よりも疲れているんですよ。てことは、『サクセス荘』以外の仕事がたくさんあって順調だということだと思うので、彼は他の現場で成長しています!(笑)。さっきも詠斗と話をしようとして楽屋に行ったら、爆睡してましたもん」

小西 「いや、疲れていないです!!」

髙木 「寝てるよね(笑)」

小西 「やばい…(笑)」

――ぜひ「サクセス荘」の次のシーズンで小西さんの成長した姿を見せていただきたいです(笑)。髙木さんは、いかがですか?

髙木 「台本を覚えるのがすごく早くなりました! もともとそんなに遅い方ではないんですけど、『サクセス荘』に出演させてもらうようになってから、セリフがすごく頭に入るようになって。今回もセリフ量が結構あったんですけど、割とすぐに覚えられました。ドラマ版でも1日3本撮りをする日もあったので、スケジュール的にきつい中で覚えるということが多かったんです。そこは、成長したなと思いました」

――「サクセス荘」ならではの緊張感があり、他の作品とは違うんですかね。

髙木 「逆に、『サクセス荘』のおかげで本当に緊張しなくなりました。ドラマの最初の頃は緊張していたんですけど…今回も緊張しなかったですね。みんな緊張してた?」

高橋 「えー、すごい!! 俺もなんだかんだで今回は大丈夫だったんですけど。でも、(チャップ役の定本)楓馬の心臓の音がマイクで拾われていたというネタがあるんですけど、俺も拾われているんじゃないかって毎回不安でした(笑)。前日は緊張感あまりないんですけど、リハーサルをやった後に、いざ本番だと思うとやっぱり緊張しますよね」

髙木 「実は、俺もすごい緊張した時があって。YouTubeで配信される『アンテナTV ビンビンch』の動画撮影の時に、手押し相撲の決勝戦でミスターと戦った時が一番緊張しました(笑)。しかも、競っていたからVTR判定だったんですよね」

高橋 「(笑)。俺はその時、ユッキーと対戦する前にケニーと当たって、めちゃくちゃ葛藤がありました。ケニーが勝った方が、また新たな展開が生まれるんじゃないかという思いと、シンプルに負けたくない思いと…その結果、僕が勝ちました」

小西 「(笑)。緊張に関しては、僕もすごくしますね。それって画面を通しても伝わってます…?」

――そうですね…(笑)。でも、それも含めて、ファンの皆さんは楽しまれていると思いますよ!

小西 「ありがたいです。でも、『サクセス荘』のおかげでメンタルは少しずつ強くなってきている気がします!」

――「サクセス荘」の4期がある時には、もしかしたらケニーのイケイケな姿が見られるかもしれませんもんね。

小西 「いや、それはないです!」

高橋 「(笑)」

小西 「まだまだ緊張している姿を見せてしまうかもしれませんが、イケイケになれるように頑張ります!」

――楽しみにしています! 「サクセス荘」ではどのキャラクターも個性的ですが、映画版まで通して、他に演じてみたいキャラクターや、逆に演じるのが大変そうだなと思うキャラクターを教えてください。

髙木 「ミスターは、やりたくないです(笑)。弁護士を目指しているので、専門用語を言えないといけないし、真面目な雰囲気でいないといけないですからね。一番緊張する役柄かも。ケニーはマジシャンだから、そういう意味では逆にやってみたいかな!」

小西 「何やってもいい感じがありますもんね(笑)」

高橋 「(やってみたいのは)僕はムーさん(玉城裕規)ですね。なぜかというと、ムーさんは誰よりもゆっくりしゃべるので、台本を間違いにくいのがいいなあと思います! ミスターは、シュンリーさんが言われたように専門用語をさらさらと話せないといけないので、プレッシャーもあるんですよね。でも、実はムーさんのキャラクターは、玉さん(玉城裕規の愛称)の実力があるから成立しているもので、僕がムーさんを演じたら、ふざけちゃってうまくいくかは分かりません…。けど、セリフのテンポが違うキャラというのは演じてみたいです」

小西 「僕もムーさんをやってみたいです! 癖がある感じが見ていてすごく好きで。あと、ムーさんの占いの内容が、その先の話の展開のきっかけになることも多いので、それもいいなあと思います。反対に、ゴーちゃん(和田雅成)は大変そうな気がします。あのフォロー力はすごすぎて、まねできないですね」

常に会話の流れを見ながら話をしてくれた高橋さん、安定感抜群で爆笑エピソードを披露してくれた髙木さん、話題も雰囲気もかわいらしい小西さんの和気あいあいとした鼎談でした。「サクセス荘」連載・第2回は、今回のインタビューでお名前の挙がった方も含む3人にご登場いただきます。次回もお楽しみに!

【作品情報】

「映画演劇 サクセス荘 〜侵略者Sと西荻窪の奇跡〜」

2021年12月31日(金)より全国公開

取材・文/鬼木優華(テレビ東京担当) 撮影/蓮尾美智子

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