【2021年の鉄道】今年話題の「ディーゼルエレクトリック方式」とは?導入の利点を解説!

2021年6月、JR西日本から、新型気動車DEC700形導入が発表されたほか、10月には検測気動車DEC741の導入が発表されました。これらの気動車は電気式気動車でいわゆるディーゼルエレクトリック方式を採用しています。この方式は、すでにJR東日本のGV-E400やJR貨物のDF200などで採用されていますが、今回、JR西日本でこの方式の気動車が初めて製造されました。

ディーゼル・エレクトリック方式導入の決め手

保守作業の簡略化

この車両は、前述の通りJR西日本では初めての電気式気動車です。JR西日本はこれまで、内燃機関を推進機関とした気動車を運行してきましたが、電気式気動車は、エンジンで発電した電気でモーターを回し、推進するという仕組みになっています。この仕組みのメリットとして、下図のようにエンジンを除けば電車と同じ部品を使え、共通化が図れるということが挙げられます。今回の導入には、日々の保守点検の簡略化という狙いもあるようです。

従来の気動車と電気式気動車の違いの概略図### 試験的な位置づけが高いと伺える

このDEC700形はプレスリリースには、「今後、試運転、各種性能確認試験、将来に向けた各種技術検証を実施」と書かれており、新技術の試験車両という位置づけが高いことが伺えます。また、この気動車には、追加の検証で、バッテリーの搭載を予告しており、ハイブリッド方式への変更も可能ということで、拡張性の高い車両といえるでしょう。

バッテリー搭載で、ハイブリッドに!### 環境配慮も

JR西日本のプレスリリースには、今回の取り組みがSDGs(Sustainable Debelopment Goals=持続可能は開発目標)の7, 9, 11, 13に該当すると記載されており、環境への配慮が十分に行われていることがアピールされています。DEC700形の導入によって、従来車よりも環境配慮が向上するということを、これらから読み取ることができます。

さいごに

DEC700形やDEC741などのディーゼルエレクトリック式気動車が、今後キハ40系列に代表される既存の気動車を置き換える日がやってくるかもしれません。今後の動向に期待が寄せられています。

【著者】鉄道プラスワン編集部

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