【新型コロナ】1日20人で市中感染対策に軸足を 神奈川・黒岩知事「オミクロンの感染力は半端ない」

全国知事会の新型コロナ緊急対策本部役員会議に臨む黒岩知事=27日午後、県庁

 新型コロナウイルス感染症を巡り、神奈川県の黒岩祐治知事は27日、「オミクロン株の感染力の強さは半端ではない」と述べ、市中感染者が1日20人程度に達した場合、現在の水際対策から市中感染対策に軸足を移したい考えを示した。

 知事はオンラインで開催された同日の全国知事会新型コロナ緊急対策本部役員会議で、国の専門家組織のシミュレーションを踏まえ、県内でオミクロン株の市中感染者数が3日間平均で20人となった場合、最も悪い想定では2週間後に1日の新規感染者は3千人、入院患者は800人になるとの試算を紹介。

 「どこかで水際対策の徹底から市中感染対策に切り替える必要がある」とし、市中感染者数が3日間平均で20人となれば、検疫用として国に貸与中の施設を県の宿泊療養施設に戻すほか、オミクロン株疑いの患者は▽入院措置から自宅や宿泊療養への切り替え▽退院基準の緩和─などの対策を講じていきたい考えを示した。こうした対策を知事の権限で講じられるよう国に求めていく。

 知事は会議後、記者団に「県内で市中感染が見つかったら激増することが予想される。早く対策をやっていかないと手遅れになる」と警戒感を示した。

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