「地下かんがい」導入を 大田原、収益増目指し研修会【動画】

草刈り機の自動操縦も実演された研修会

 【大田原】栃木型地下かんがいシステム導入ほ場を活用した園芸作物導入研修会がこのほど、富池の同システム導入ほ場で開かれた。

 米価の低迷が続く中、農地集約による大規模経営者らの所得確保策の一つとして、水田に、主食米よりも収益性の高い園芸作物を導入してもらおうと、那須農業振興事務所などが主催した。市土地改良区の役員や地域の担い手農業者ら約70人が参加した。

 同システムは、過去の整備で地中に管を敷設した既存の排水施設に補助排水溝を新たに整備し、排水だけでなく、用水路の水を地下から給水もできる仕組み。今回の実証ほ場は面積40アールで昨年度に整備。うち20アールで本年度ネギを栽培した。

 研修会では、同システムの仕組みや機能の説明をはじめ、秋冬ネギの栽培時の土壌水分の推移データや、野菜栽培に適した土壌水分になったことなどを報告した。実証ほ場を提供した荒井一夫(あらいかずお)さん(70)は「場所にもよるが、排水が良ければ、畑状態として園芸作物が導入できると実感した」と話していた。

 この後、大規模経営におけるスマート農業を活用した労力負担軽減策として、スマートフォンで水田の給排水を管理できるシステムの紹介や、草刈り機の無線操縦の実演も行われた。

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