選手会が労使交渉の機構側の姿勢を批判 タンキングのない競争を希望

ロックアウトが始まって約1カ月が経過しようとしているなか、ザック・ブリットン(ヤンキース)、マーカス・セミエン(レンジャーズ)、ルーカス・ジオリト(ホワイトソックス)の3選手がロックアウトについて語り、労使交渉におけるメジャーリーグ機構側(=オーナー側)の姿勢を批判した。ロックアウトにより、現在はトレードやFA契約など、基本的にメジャーリーグのすべての活動がストップ。本格的な交渉は年明けまで始まらない見込みとなっており、2022年シーズンへの影響が懸念される。

ロックアウトに突入した際、ロブ・マンフレッド・コミッショナーは「我々はできるだけ早く交渉のテーブルに戻りたいと考えているが、相手側から(交渉を進めたいという)プレッシャーを感じない」とコメント。しかし、ブリットンは「我々はいくつかのいい提案をしたにもかかわらず、(11月の最後の数日に行われた)ダラスでの交渉で何も得られなかった」と機構側の交渉姿勢を批判。ジオリトも「我々は交渉の準備ができている。機構側が出てくるのをずっと待っているんだ。ロックアウト前に複数の提案をしたが、彼らはそのとき交渉することに興味を持たなかった」と同調した。

また、選手会はタンキング防止のための制度改革に強い意欲を示している。ブリットンは「すべてのチームが毎年勝利を目指してほしい。それがファンにとってもフェアなことだと思うし、我々もそれを望んでいる。このメッセージを送り続けるつもりだ」とコメント。ジオリトも「全30球団が競争し、可能な限りベストの選手をフィールドへ送り出してほしい。これは我々が提案のなかで強調していることだ。すべての人々のためにゲームをよりよくしていこう。一番はファンのためだ」と同様の内容を語っている。

2016年王者のカブス、2017年王者のアストロズ、2021年王者のブレーブスのように、タンキングを経由して戦力を整え、頂点に上りつめた例は多く、近年は同様の手法を採るチームが増えている。主力選手を次々に放出して年俸総額を削減し、意図的に負けを増やした球団にメリットがある現在の制度を変える必要がある、と選手会は考えているわけだ。セミエンは「1月が重要な月になる」とコメント。スプリング・トレーニングやシーズン開幕に影響が及ぶことは双方とも望んでおらず、年が明けた1月にいよいよ労使交渉が本格化することになりそうだ。

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