佐渡金銀山(新潟県佐渡市)が世界文化遺産推薦候補に選定されたことを受け花角英世知事がコメント

取材に応じる花角知事

新潟県の花角英世知事は28日、佐渡金銀山(新潟県佐渡市)が国の文化審議会世界文化遺産部会において、推薦候補として選定されたことを受けコメントした。

花角知事は記者団の囲み取材に応じ「20年余りに渡り、登録に向け取り組みをつづけてきた本県にとって大きな前進であり喜びであると受け止めている。ここに至るまでに協力や支援をいただいた方々に感謝したい」とコメント。

また今後について「(世界遺産登録へ向け)国として推薦するための検討が政府で進められるが、これまで通り、速やかに決定がなされることを願っている」と期待を示した。

一方、記者の中からは「外交上の理由から慎重な意見が出ている」として所感を問う質問がでたが、「佐渡金銀山の世界遺産としての価値は、江戸時代に手工業によって世界有数の規模の金を算出し、それらを支えるものも含め日本独自の生産システムが作られて、その遺構が残っている点。世界に類を見ないことであって、そこにはなんら外交の観点の議論はないと思っている」と話した。

また同日、佐渡市の渡辺竜五市長も「佐渡市ではこれまで国・県・専門家とともに、佐渡金銀山の歴史と文化が世界遺産にふさわしいものであることを明らかにするために、様々な調査・研究を進めてきた。また、市民や関係団体では、環境保全のボランティア活動や佐渡金銀山の価値を発信する様々な登録推進活動に尽力いただいている。この度の答申結果は、佐渡金銀山が日本文化の誇りとして認められたものなので、佐渡市としては政府による国内推薦決定をいただいたうえで、更に世界にその価値や魅力を知っていただけるよう全力で取り組んでいく所存である」とコメントを発表した。

佐渡金山「道遊の割戸」

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