平和願い沖縄の中学生と交流 日向中

平和な世の中の実現に向けて意見を交わした浦添市の中学生と日向中の生徒

 沖縄県浦添市の中学生10人が27日、戦時中に同市の学童らが疎開した日向市を訪れ、当時を知る市民や日向中(三田明生校長、309人)の生徒らと交流した。疎開生の暮らしぶりを聞くなどし、平和への思いを新たにした。
 浦添市の学童や教師ら計約130人は1944(昭和19)年、戦禍を逃れるため日向市に疎開。この縁から、両市は中学生を派遣するなどして平和交流を続けている。
 同校では、疎開生と暮らした経験のある甲斐誠二さん(84)=日向市財光寺=が講話。甲斐さんは飢えや寒さに苦しんだ生活に触れ、「二度と戦争をしてはならない」と訴えた。
 同校と浦添市の生徒らは地元で起きた戦争について互いに説明したほか、平和な世の中の実現に向けできることについて意見を出し合った。「戦争経験者の話を語り継ぐ」「外国人との交流を増やす」などの声が上がった。
 同校2年の蛯原李音(りね)さん(14)は「戦争の悲惨さや命の尊さなど、考え直すきっかけになった」、同市・神森中2年の仲村ひめなさん(14)は「沖縄戦だけでなく、研修で学んだことを浦添の人々に伝えていきたい」と話していた。

© 株式会社宮崎日日新聞社