神奈川・真鶴町長提案の給与1年カット案、議会で否決 「金銭だけで責任果たせるか」

提出議案について説明する松本一彦町長=28日、真鶴町議会

 真鶴町の松本一彦町長が選挙人名簿抄本を不正にコピーし町長選で使用などしていた問題を巡り、真鶴町議会は28日、臨時会を開き、町長が提出した1年分の給与を全額減額する条例改正案を賛成少数で否決した。松本町長は町長選で自ら給与ゼロの公約を掲げ、問題を受け実施した町長選などにかかった費用を補填するとしていた。

 提出された町常勤特別職職員給与と旅費に関する条例改正案は、来年1月1日から同年12月31日の1年間、町長の給与(約697万円)と期末手当(約274万)を合わせた支給額(約972万円)を全額削減する内容。

 松本町長は町長選の費用や職員の時間外手当、第三者委員会の設置にかかる費用を計約1千万円と見込み、「町に与えた損害や経費の想定額相当分として、1年分の給与をもらわない公約を実行するため」などと提案説明した。

 町議からは「選挙費用は誰が町長になっても変わらない出費。風評被害で観光や移住などの経済利益が減ることが予想されるがその分は換算しないのか」「金銭の補塡だけで責任を果たすつもりか」などの質疑や反対討論があった。採決では議長を除く9人のうち8人が反対した。

 松本町長は臨時会終了後、「理解していただけなかったことは残念。修正案についてどうするかは考えていない」と話した。

© 株式会社神奈川新聞社