横須賀の「ハイランドプール」が閉業 コロナで2年休業の末に「苦渋の決断」

「皆さまに心から感謝している」と話す坂野さん。自身も幼い頃から通い、学生時代アルバイトもしていた=横須賀市ハイランド

 1975年の開業以来、地元で親しまれた「ハイランドプール」(横須賀市ハイランド1丁目)が、半世紀近い歴史に幕を下ろした。新型コロナウイルス禍による2年間の休業の末、安定した営業の見通しが立たずに苦渋の決断に至ったという。子どもたちの歓声が響き、多くの住民が夏の思い出をつくったプールは、老若男女の心に残り続ける。

 横須賀南部の丘陵地に広がる大規模住宅地に、夏限定でオープンするプール。「幅広い世代が気軽に訪れられる場に」との思いが随所に込められ、約4千平方メートルの敷地に50メートルの大プールと小プールが並び、大人千円、子ども500円で一日過ごせた。ナイター営業も人気だった。

 「昔は地域住民の利用がほとんどでしたが、近年は遠方から足を運ばれる方も多かった」と運営会社の坂野洋介さん(48)。高齢化が進むまちで近年も一夏に3万人ほどが訪れており、憩いの場の役割は変わらなかった。しかし、コロナ禍での休業が続く中で閉業を余儀なくされたという。

© 株式会社神奈川新聞社