【DeNA】「ハマの守護神」陥落から2年 もがく山崎、亡き母に誓う返り咲き

守護神への返り咲きを強く誓った横浜DeNA・山崎(代表撮影)=12月17日、横浜

 「やり返したい」。横浜DeNAの山崎康晃投手(29)が、並々ならぬ覚悟で新年を迎えようとしている。「ハマの守護神」の座を死守できなかった2年間。「家族の後押しもあった」と国内フリーエージェント(FA)権を行使せず残留を決めた右腕は、屈辱をバネに前だけを見据える。

 今季はわずか1セーブも60試合に登板。1年目から7年間、大きなけがもなく投げ抜いた。「強い体に生んでくれたお母さんに感謝したい」

 一方、加齢で安定した成績を残し続ける難しさに直面しているのも事実。「疲労の蓄積もあって毎年同じ状況ではプレーできない。関節やウエートの問題と常に向き合っている」と明かす。

 今季はカーブやスライダーなどを多投して投球の幅を広げ「前半戦は力になれた」。オフは初心に返って直球の質を上げる。全ては守護神の座に返り咲くためだ。斎藤チーフ投手コーチにも「もう一花、二花咲かせたい」と本音をぶつけた。

 年明けには厚木の合同自主トレーニングで三嶋らとの競争が始まる。「昨年も悔しい思いの中で一緒にやるのはどうかなと思ったこともある。競争は熾烈(しれつ)だが、仲良しクラブではない。負けたくない気持ちを再確認したい」と力を込める。

 2年連続セーブ王、日本代表で胴上げ投手になった矜持(きょうじ)をのぞかせた。

 「ここまでの経験を生かしてチームの力になりたい」。来秋、最終回のマウンドで栄光をつかむ─。その姿をことし亡くなった天国の母に届けてみせる。

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