マスク越しに「良いお年を」 あいさつに希望込め 年の瀬 長崎の商店街

威勢のいい掛け声が響く中、ブリやヒラマサなど正月用の鮮魚を買い求める市民=長崎市築町

 年の瀬の30日。長崎市築町の商店街には、おせち料理の食材や正月飾りを買い求める客らが足を運んだ。新型コロナウイルス禍の中で迎える2度目の年越し準備。コロナ禍前の客足には戻っておらず、新変異株への警戒も強まる。「良いお年を」「来年こそ明るい年に」。マスク越しに短く交わすあいさつに新年への希望を込めた。
 「天然やけん、おいしいですよ」。作元鮮魚店の店頭にはブリやヒラマサ(ヒラス)など正月の食卓を彩る新鮮な魚がずらりと並んだ。ブリの切り身を買い求めた同市寄合町の中島徹蔵さん(75)は「正月の縁起物だから欠かせない。コロナだから正月は自宅でゆっくり過ごします」と話した。
 同鮮魚店の作元フミ子さん(71)は「11月にようやくコロナ前の6割程度まで売り上げが戻ってきたが、新変異株の影響で12月の客足は鈍い」とこぼす。ネット注文の普及などで「対面販売に客足が戻ってこないのでは」と心配している。
 年内最後の買い出しという同市小浦町の川嶋陽子さん(66)は「我慢の生活が続いている。来年はコロナが落ち着いて、自由に行きたいところに行けるようになれば」と願うように話した。


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