6年後のドラフトが待ちきれない 特大弾のMVPや元中日右腕の次男…逸材小学生たち

ドラゴンズジュニア・小久保颯弥(左)と朝倉陸【写真:川村虎大】

優勝した中日Jr.の小久保くんは、神宮球場の左翼席中段まで飛ばした

将来また、NPB12球団のユニホームを着るかもしれない――。そんな期待が膨らむ好選手ばかりだった。28日から3日間、神宮球場などで行われた「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2021」。大会史上最多の51本塁打が乱れ飛んだ中、躍動したトップレベルの小学生たちを紹介する。

【実際の映像を見る】「小学生が神宮球場レフトスタンド中段て」とファン衝撃…中日Jr.小久保くんのグランドスラム

4試合で18本塁打と圧倒的な打力で優勝した中日ドラゴンズジュニアの中で、1番の小久保颯弥くんは特に注目を集めた。大会通算で打率.647(17打数11安打)、5本塁打、10打点はいずれもトップ。準決勝では、神宮球場の左翼スタンド中段まで届く超特大弾を放った。元中日の湊川誠隆監督も「プロになる」と絶賛する有望株。憧れの選手は、エンゼルスの大谷翔平投手で、「自分もメジャーへ行って活躍したい」と夢を膨らませた。

元プロ選手の“2世”も存在感を見せた。中日で投手として16年間プレーした朝倉健太氏の次男・陸くんは、決勝で2打席連発。弾丸ソロとグランドスラムで4度目の優勝に大きく貢献した。大会通じて3本塁打の打棒もさることながら、父にそっくりな顔つきも話題となった。ドラゴンズジュニアでは他にも、大会通じて4本塁打をマークした山本寿希也くんや、初戦で1試合3発を放った見崎賢汰くんが躍動。ともに将来が楽しみな長距離砲だ。

巨人ジュニアの入江くんは、等々力球場のスタンドまで運んだことも

存在感ナンバーワンは、読売ジャイアンツジュニアの入江諒太くん。身長170センチ、体重80キロの体躯で、今大会3試合連続でアーチを架けた。過去には、等々力球場(川崎市)のスタンドまで運んだこともあるというパワーが魅力。憧れは日米で活躍した松井秀喜氏で、自ら背番号「55」選んだ。

東北楽天ゴールデンイーグルスジュニアの砂涼人くんは“投走攻守”で高いプレーを見せた。遊撃の守備では、逆シングルもショートバウンドもお手の物。投げても、120キロに迫る直球を投じた。決勝で涙をのんだものの、2本のアーチを放って優秀選手賞を獲得した。

今季メジャーで本塁打王を獲得したロイヤルズのペレスに憧れ、背番号「13」を着用した福岡ソフトバンクホークスジュニアの強肩捕手・島尻琳正くんは、大会4本塁打をマーク。沖縄・石垣島出身で、本塁打後には地元の守り神・シーサーのポーズを披露した。

多くの逸材がそろっていたNPB12球団ジュニアトーナメント。過去の出場者の中から70人がNPB入りしている“プロの登竜門”でもある。選手たちが高校3年生になる6年後のドラフト会議が、今から楽しみだ。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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