大人気のナンプレ・数独 大型化、複雑ルールも可能だが「9×9」がベストでは パズル作家が語る

いまや世界中で大人気のナンバープレイス。新聞に雑誌に懸賞用パズルにと引っ張りだこですが、パズルの専門誌や作家達は、そんなナンプレをもっと面白くできないかと知恵をしぼっています。

たとえば、1~9まででなく、16や25までの数字を使う大型の問題を作ってみたり、複雑なルールを加えて新たなバリエーションを模索してみたり。ナンプレの可能性を広げ、新たな商品価値を付与するべく奮闘中です。けれどそれはいかがなものでしょう?

1~9までのひとケタ数字のみを使うシンプルさ。小学生でも理解できる単純なルール。それこそが、ナンプレが世界で人気を博した大きな理由。シンプル・イズ・ベストが身上のナンプレに、あれこれ手を加えたところで、あまり良い結果は出ないような気がするのです。書店に並ぶナンプレ本のほとんどが、9×9マスの問題で構成されているのがその証拠。それだけのことなのに、奥が深くて飽きが来ない。1979年に世に発表された時点で、ナンプレはすでに、それ以上改良すべくもない究極のカタチに完成していたのです。

アインシュタインの有名な公式E=mc²しかり、一流スポーツ選手の無駄のないフォームしかり、試行錯誤の末にたどりつくのはいつもシンプルな結論。ヒント数字が整然とシンメトリーに配置された問題を見て、それと同様の美を感じるのはボクだけでしょうかね。

(パズル作家・河田 智)

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