今秋、九州新幹線長崎ルートが部分開業する。開業効果を最大限発揮するには-。2011年の九州新幹線鹿児島ルート全線開業にも携わったJR長崎駅の萱嶋創(かやしまはじめ)駅長(45)に話を聞いた。
-当時は鹿児島中央駅の副駅長。開業前後でどのような変化を感じたか。
それまで来ていなかった客層が増えた。駅では多くの関西弁が飛び交い、窓口は常に行列。駅周辺は開業以降も店が次々リニューアルするなど、街が活性化していくのを体感した。
-鹿児島ルートも最初は新八代(熊本県)で乗り換えるリレー方式だった。
部分開業でも鹿児島-熊本の利用者は大幅に増えた。コロナ禍で難しい状況だが、新しいインフラができれば間違いなく人は来る。新幹線を活用した新たな観光ルートをいかに提案していけるかが鍵だろう。
-開業までに地元が準備しておくべきことは。
観光客は「長崎らしさ」を求めて来る。昔から持つ良いものを磨き上げ、発信し、差別化を図ることが重要。地元に根付いているものが最終的には喜ばれる。
2次交通の充実も求められ、バスやタクシーなど地元の交通事業者との連携も大事。駅で降り、その先をどう移動すればいいのか、デジタル技術も活用しながら分かりやすく伝えたい。
-あらためて期待を。
新幹線によって長崎県は全国から脚光を浴びる。今はまだ動くことを我慢し、遠くに行けない方がたくさんいる。コロナが落ち着いた後は間違いなく起爆剤になる。すごくいいタイミングで走り出せるんじゃないか。