全国高校ラグビー 長崎北陽台 3大会ぶり8強 御所実に36-15

【3回戦、御所実―長崎北陽台】後半6分、長崎北陽台のナンバー8勝矢が御所実のディフェンスを振り払って中央にトライ=花園ラグビー場

 第101回全国高校ラグビー大会第4日は1日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で3回戦8試合が行われ、長崎県代表でBシードの長崎北陽台は同じくBシードの御所実(奈良)を36-15で下して、3大会ぶり6度目の8強入りを決めた。
 長崎北陽台は風上の前半4分、自陣スクラムから右に展開。最後はFB山下、WTB亀川とつないで先制トライ(ゴール)を奪うと、その後もロック白丸、亀川、ナンバー8勝矢、山下が次々にインゴールに飛び込んだ。29-5で入った後半も6分に勝矢が中央にトライ(ゴール)を決めて36-5。ベンチメンバー7人を投入した終盤に2トライを返されたが、危なげなく勝ちきった。
 九州勢はこのほか、Aシードの東福岡が目黒学院(東京第2)を67-12で圧倒。Bシードの佐賀工もBシードの国学院久我山(東京第1)に14-5で競り勝ち、長崎北陽台を含めて3校が準々決勝に進んだ。
 第5日は3日、同ラグビー場第1グラウンドで準々決勝4試合を実施。長崎北陽台は第2試合(11時55分)でBシードの国学院栃木と対戦する。

■強く速く 5連続トライ 前半で勝負決める

 過去10大会で準優勝3回の御所実(奈良)を寄せつけなかった。長崎北陽台が力強い高速ラグビーで序盤から5連続トライを奪い、前半だけで試合を決めてしまった。品川監督は「もっと競るイメージだったが、それを上回るぐらい圧倒してくれた。相手に何もさせなかった」と選手たちの健闘をたたえた。
 2回戦で日川(山梨)に快勝した12月30日夜のミーティング。品川監督は選手たちに、あえて厳しい言葉を掛けた。「次の御所実に負けたら、おまえたちは口だけだぞ」。今季のチームが掲げてきた目標は全国制覇。「熱くなった。絶対にやってやろうと思った」。主将のCTB本山の言葉通りに、チームは燃えた。一人一人がその闘志を、この日のグラウンドに持ち込んだ。
 強い思いは結果となって現れた。FWリーダーのナンバー8勝矢は開始早々、強烈な当たりで相手プロップを吹き飛ばしてチームを活気づけた。副将のSO大町はディフェンスの隙を逃さず、持ち味のランでディフェンスの裏に出続けた。白丸、亀井の2年生両ロックも攻守両面で大器の片りんを披露。何よりもチームが一丸となっていた。
 この日の一戦は「公立校対決」としても注目されていた。だが、同じ公立でも御所実は全国各地から集まった部員96人の大所帯。人工芝グラウンドも寮もある。対する長崎北陽台の部員は39人。環境は比べものにならない。そんなチームがつかんだ花園8強。全国のあらゆる部活動に勇気を届ける勝利になった。


© 株式会社長崎新聞社