ニューイヤー駅伝 三菱重工4位 悔しさ残る5度目入賞

ゴール直前の3位争いに敗れ4位でゴールする三菱重工のアンカー定方(左)=群馬県庁前

 第66回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)は1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間100キロのコースに37チームが参加して行われ、長崎県の三菱重工が4時間52分49秒で4位と健闘した。入賞は2年連続5度目。ホンダが4時間51分4秒で初優勝した。
 三菱重工は1区的野が先頭と15秒差の9位発進。2区カンディエから5位でたすきを受けた3区林田が一気に単独トップに浮上した。4区井上で2位との差を39秒に広げ、5区山下も先頭を守ったが、6区吉岡が3位に後退、7区定方も一つ順位を下げた。
 ホンダは、終盤2人の連続区間賞で逆転V。終始上位でレースを進めたスバルが過去最高の2位に入った。3位は旭化成。昨年優勝の富士通は12位に終わった。

■終盤5区まで首位

 初入賞からの6年間で5度目の入賞。2019年の2位に続くチーム史上2番目の好順位でフィニッシュしても、三菱重工の選手たちに笑顔はない。終盤5区までトップを守ったが、群馬県庁に戻ってきた時には4位。ゴール前で旭化成との3位争いにも敗れ、アンカー定方は何度も「ちくしょう」と繰り返した。
 「3区までにトップが見える位置、もしくはトップにいたい」。描いていた理想通りのレース運びだった。序盤で上位争いの流れに乗り、3区林田が単独首位に浮上。エース井上は貯金をさらに増やした。創部40年目でついに見えた頂点。しかし、自信を持っていた後半区間は、ライバルも強力布陣を用意していた。
 19年にゴール間際までデッドヒートを繰り広げて2位。以来、毎年優勝を狙っている。悲願達成はまたもお預けとなったが、マラソン実力者の井上頼みだったチームは年々選手層が厚くなり「もう、井上だけのチームではない」と評されるまで成長した。今大会が三菱重工史上、最も主導権を握るレースをしたのは間違いない。
 主将の的野は「あくまで優勝を目標にしていたので、それ以外の順位は喜べない。明日からまた、来年に向けてスタートする」とリベンジを誓う。その悔しさを持ち続けていれば、頂点に立つのは時間の問題だ。


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