無料検査対象を4日から拡大 栃木県、オミクロン対策強化 茨城の市中感染受け

茨城県でのオミクロン株市中感染を受け、記者会見する福田知事=3日午後、県庁

 栃木県の福田富一(ふくだとみかず)知事は3日、臨時記者会見を開き、茨城県で2日に新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の市中感染が確認されたことを受け、県民を対象にした無料検査の対象を4日から拡大すると発表した。無症状である場合の無料検査はこれまで、ワクチン未接種者らを対象としていたが、今後は感染に不安を感じる全ての県民が受けられるようになる。オミクロン株への対策を強化し、早期発見で感染拡大を防ぐ。期間は1月末まで。

 県は昨年12月25日から、ワクチン接種や陰性証明を条件に行動制限が緩和される「ワクチン・検査パッケージ」の一環として、無料検査を実施。健康上の理由でワクチンを接種できない人や、12歳未満の子どもを対象としていた。

 同27日には、政府がオミクロン株の市中感染が確認された都道府県で行われている無料の検査を、隣接県でも知事の要請に基づき実施できるようにすると発表。このため県は、無料検査の対象を拡大することにした。

 無料検査は、県の登録を受けた医療機関や薬局で行われ、2日時点で14市町に計76カ所設置されている。対象となるのはPCR検査と抗原検査。検査場所は県のホームページに掲載されている。発熱などがなく無症状であることが条件で、症状がある場合は指定の医療機関を受診する。

 国内では12月下旬から新規感染者が徐々に増え始め、本県も同月に真岡市内の小学校と宇都宮市内の保育施設でそれぞれクラスター(感染者集団)が発生。25日以降は新規感染者が2桁となる日が続くなど増加傾向にある。30日には、米国から帰国した県内在住の40代男性のオミクロン株への感染も初確認された。

 4日以降、仕事始めや新年会などで交流の場が増え感染の再拡大が懸念されるとして、福田知事は「オミクロン株が間近に迫っている。マスクの着用や換気など基本的な対策を徹底してほしい」と改めて注意を呼び掛けた。

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