【中山金杯/追い切り診断】高評価「S」は前走“2桁着順” 逆算調整で「絶好の状態」

■ヴィクティファルス

【中間調整】秋2戦目として臨んだ前走の菊花賞。上々のデキにあったのは確かだが、18頭立て17番枠スタートで距離ロスもあり、さすがに最後は苦しくなって1秒5差の10着に終わった。その後は中距離路線での巻き返しを意識し、中山金杯から逆算して放牧。12月10日に栗東へ戻り、順調に調整されている。12日に坂路14-14を出したのが初時計、16日に主戦・池添騎手を背にCWで追われたが、まったくの楽走で3F37秒4-1F11秒5を出した。稽古駆けする馬ではあるが、中間の休養でさらに肉体面でレベルアップした感。22日に池添騎手が騎乗し負荷を掛けたウッド追いでも、単走とすれば抜群の伸びを見せた。

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【最終追い切り】12月31日に池添騎手が騎乗し坂路単走。息を整え、鞍上との意思疎通を図る程度だったはずだが自然と速い時計となり4F52秒9-1F12秒1(馬なり)を出した。坂路でそこまで走らない馬としては出色の数字。

【見解】早い段階で中山金杯を目標に据え、逆算しての休養と調整。順調さが強調材料だが、帰厩後は以前より楽にいい時計が出せるようになっており、休養効果で一段と成長したのは嬉しい誤算かもしれない。鞍上との息はピッタリで、精神面でも研ぎ澄まされている。さっそく絶好の状態で走れそう。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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