【中山金杯/データ攻略-前編】上位人気2頭に“明と暗” 馬券内率0%の「鬼門」ローテ

5日、中山競馬場で行われるハンデ重賞・中山金杯(GIII、芝2000m)は、2022年のJRA開幕を告げる名物レース。年をまたいだ変則日程下での調整を余儀なくされる点から、大波乱を生み出すこともしばしば。ハンデ戦ゆえに起こる、軽ハンデを活かした伏兵の台頭にも目を配りたいところだ。

データで紐解く今年の中山金杯。過去10年のデータ分析から浮かび上がったキーワードをご覧いただきたい。

◆【中山金杯2022予想/追い切り診断】高評価「S」は前走“2桁着順” 逆算調整で「絶好の状態」

■ヒートオンビートを後押しするのは「昨年GI5勝」の若武者

前走チャレンジCは2着入線と、中距離戦線でも十分に戦えることを証明したヒートオンビート。年明け初戦の名物レースを制し、弾みをつけるべく参戦を果たした同馬を後押しするデータがこちら

・中山芝2000m重賞×横山武史×4枠以内【3-0-0-2】

タイトルホルダー、エフフォーリア、キラーアビリティなどがこのデータに該当。中山芝2000m重賞×横山武史×4枠以内に入った馬の成績には目を見張るものがある。昨年はGI5勝、競馬界を席巻する大活躍をみせた横山武史が跨る今回、待望の初重賞制覇への道筋は見えていることだろう。

■ヴィクティファルスの鬼門は「馬券内馬ゼロ」のローテーション

「強い3歳世代」の一角として昨年のクラシック戦線を完走。捲土重来を期すべく中山芝中距離戦にターゲットを絞って臨むヴィクティファルス。3歳春にスプリングSを制した相性の良い中山芝替わりは歓迎材料だが、ここはローテーションが鬼門となりそうだ。

・前走菊花賞組【0-0-0-7】

このなかには昨年の天皇賞・春と有馬記念でともに2着だったディープボンドも含まれる。3000→2000mへの距離短縮により追走で手いっぱいになるケースが目立っており、正月中山開催のCコース替わりがさらなる追い打ちをかけている印象だ。ヴィクティファルス自身、テンのダッシュ力に欠けるタイプ。同馬に待ち受けるハードルは相当に高いものとなりそうだ。

後編」ではデータから浮上した想定10番人気を含む2頭の穴馬候補を紹介する。

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著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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