【作家の値うち】平野啓一郎『マチネの終わりに』(2016) 文藝評論家の小川榮太郎氏が現役作家100人の主要505作品を、100点満点で採点した『作家の値うち』が作品評を特別公開! 今回はリベラル言論人としても舌鋒鋭い(?)芥川賞作家、平野啓一郎氏の、50万部を突破し映画化もされたベストセラー小説!

48点 真面目に作品に付き合う気持が萎える

クラシックギタリストと国際ジャーナリストの恋だが、二人に魅力がなく、芸術を巡るペダンティック な会話も平凡。それでも二人の心理の綾や襞を通じて物語が紡がれると思いきや、中盤での筋のとんでん返しが極端に強引で、後半、真面目に作品に付き合う気持が萎える。

小川榮太郎 | Hanadaプラス

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