県農大校 JGAP取得 適切な畜産管理の認証制度

JGAP認証書を手にする県立農業大学校の学生と教員ら

 高鍋町の県立農業大学校(戸高朗校長、110人)畜産学科は、乳用牛・生乳、肉用牛の2品目で、農業生産工程管理の認証制度「JGAP(家畜・畜産物)」を取得した。全国の農業大学校では3校目。学生らは「認証に基づいた飼育管理などを、卒業後の現場でも役立てたい」と話している。
 JGAP(家畜・畜産物)は、適切な農場管理の視点から食品安全や環境保全、労働安全、人権保護などについて113項目の基準を定める。家畜衛生や、家畜を快適な環境で飼育する「アニマルウェルフェア」に関する規定もある。
 同校畜産学科は、肉用牛、酪農専攻に1、2年生計30人が在籍し、肉用、乳用牛計約140頭を飼育している。認証取得に向けては、2019年度から教員が中心となり、基準を満たした飼育手順のマニュアル化、リスク評価を策定するなどして準備してきた。
 21年度からはマニュアルに基づき、学生たちが日々の飼育管理や衛生、安全面などの対応について細かく記録。昨年10月に専門機関の審査を受け、さらに改善を重ねて同12月に認証を取得した。
 実家が肉用牛農家という同学科1年の中窪翔さん(19)=小林市出身=は、「農大で初めてGAPに触れたが、幅広い内容を細かく記録することでリスク対応や経営の見える化に役立つことを実感した。実家に帰ったらぜひ導入したい」。垂水啓二郎学科長は「GAPを導入することで経済的にも社会的にも持続性のある農業につながる。就農後に実践するきっかけにしてほしい」と話していた。

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