尋常じゃない増え方…オミクロン株の特徴は?感染症の専門家に聞いた

 新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」は重症化する患者が少なく、第5波までとは印象が異なる。ただ、現時点では患者数が少なく、年齢も若いので比べるのは難しい。高齢者や基礎疾患のある人が感染しだすと、重症者が増える可能性もある。油断はできない。飲み薬「モルヌピラビル」が特例承認されたが、供給量は限られていて、誰にでも使えるわけではない。
 医療提供体制の心配は、医師や看護師など医療従事者の感染だ。ワクチンの3回目接種は進んでいるが、オミクロン株はほとんどブレークスルー感染で、医療従事者のリスクは高い。感染者や濃厚接触者が増えれば現場が回らなくなる恐れがある。今後、入院ではなく自宅療養に切り替わることも考えられるが、自宅療養中の患者への対応は課題だ。
 第6波の立ち上がりは尋常ではない増え方だ。年末年始の新規感染者は50人台だったが、PCR検査や病院の受診が平日より限られていたことを考えると、実態より少なく出ていたのだろう。オミクロン株の感染力は強いとみられ、第5波以上になる恐れもある。これからの1週間は見極めの期間だ。
 (感染症内科)

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