JAF、SFおよびSFライツの統一規則変更箇所を発表。SFは年間使用可能エンジンが2基に

 JAF日本自動車連盟は1月5日に全日本スーパーフォーミュラ選手権の、1月4日に全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の統一規則の2022年変更箇所を発表した。それぞれに変更箇所があり、2022年のシーズンにおいて重要なポイントとなりそうだ。

 例年シーズン開幕前にJAFから変更箇所が発表される統一規則。まずスーパーフォーミュラについては、シリーズ終盤戦に特に重要になりそうな箇所が変更されている。項目ごとに変更箇所を紹介しよう。

■選手権得点/有効ポイント

 まず、シリーズ各戦の順位により獲得できるポイントは、下記のようになっている。1レースの獲得ポイントについては、2021年から変更はない。

1位:20点/2位:15点/3位:11点/4位:8点/5位:6点
6位:5点/7位:4点/8位:3点/9位:2点/10位:1点

 2022年に向けて変更されたなかで大きなものとしては、1大会2レース制の場合。これまで2レース制の場合『夫々(それぞれ)のレースに対して上記(1)の得点の半分とする』とされ、優勝すれば10点、2レースとも優勝すれば20点が獲得できるものだったが、2022年からは『夫々に上記の得点』とされ、例えば2レース制で2連勝すれば、40点を一気に獲得できることになった。なお、チームポイントも同様だ。

 またこの選手権得点の項目のなかで、2021年は「得点合計の対象となるレース数は、選手権レースとして開催された最大5レースとする〜」と有効ポイント制が採用されていたが、この項目が「得点合計の対象となるレース数は、選手権レースとして開催されたレースのすべてとなる」とされ、全戦のポイント制になることが示された。コロナ禍のなかで採用されていた有効ポイント制だが、2022年はこれが廃されることになりそうだ(ライツは引き続き有効ポイントを採用)。

■タイヤ/エンジン

 2021年まで、『競技会期間中を通じ、車両1台あたりに使用できる溝なしタイヤ(ドライタイヤ)は最大6セット(前輪12本、後輪12本)とする』とされていたが、これが『競技会期間中を通じ、1レース、車両1台あたりに』と変更されている。これも2レース制を踏まえたものであることが予想される。

 そして、2022年に向け重要なポイントとなりそうなのが、第24条『車両とエンジン』の2)にあたる年間使用可能エンジン数だ。これまでスーパーフォーミュラでは年間1基とされていたが、『各競技参加者が使用できるエンジンは、年間を通じ最大2基とする』と改められた。

 なお、公式車検開始前までのエンジン交換については、2021年同様公式予選結果から10グリッド降格となるが、2021年まで『当該年の前大会の決勝レースにおいて、エンジン破損により本規則第7条2.1)(編注:選手権得点)に定めるドライバーに対する得点を得ることができなかった車両は、この限りではない』とされていたものが、『他車に起因する不可抗力のエンジン破損の場合はこの限りではない』と改められている。

■公式予選

 公式予選については、2021年までポールポジションは『Q3において最速タイムを記録したドライバー』とされ、グリッドについてはQ3〜Q1の順で配列されることが明記されていたが、2022年からは『最終のセッション、その前のセッション』という表記となっている。これは、Q3が開催できなかった場合などへの文章としての対応のよう。

 また、1大会2レース制の場合、『第1レースの決勝結果に基づき、第2レースのグリッドを決定する場合は、その決定方法の詳細を特別規則書に明記しなければならない』という条文が加わっており、1レースめの結果により2レースめのグリッドが決するパターンも出るかもしれない。

■決勝レース

 また決勝レースについては、フォーメーションラップスタート時、グリッドを離れることができなかった車両の手順について修正が加えられている。また、決勝レース時、ピット作業等を行いピットアウトする際、これまで『決勝レース中は、ドライバー当人の責任においてコースインするものとする。ブルーライトの点滅は車両が近づいている合図である』とされていたものが、『決勝レース中は、ピット出口のグリーンライトが点灯しているときのみドライバー当人の責任においてコースインするものとする。ピット出口のブルーライトの点滅は車両が近づいている合図である』という条文となった。

 また、決勝レース時の反則スタート、黄旗無視等のH項違反、ピット作業違反、ピットレーンの速度制限違反等のペナルティについては、個々にドライビングスルーペナルティ等が定められていたが、すべて『タイムペナルティまたは、それ以上』と改められた。これはスーパーフォーミュラ・ライツも同様となっている。これは、新設されたタイムペナルティの条文の追加にともなう文言の修正とのことで、実際の運用はそこまで大きくは変わらないようだ。

 そして重要なものと思われるのが、第33条のセーフティカーの運用についてだ。スーパーフォーミュラ、スーパーフォーミュラ・ライツともに『競技長がそうすることが安全であると判断した場合、先頭車両に周回遅れにされていたすべての車両は、先頭車両と同一周回にいる車両およびセーフティカーを追い越すことが求められる。この運用を採用する場合は、ブリーフィング等で詳細手順を周知徹底すること』という条文が加えられている。

■スーパーフォーミュラ・ライツ

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権では、参加資格に変更がある。2021年までは『2019年~2020年のF2またはSFにおいて、シリーズランキング上位8位までの者』は参加することができなかったが、『2021年のF2またはSFにおいて、シリーズランキング上位6位までの者』となり、より多くのドライバーが参加できるようになった。

 また、1大会あたりのドライタイヤの使用可能セット数が、2021年までは1大会3レースのときは最大3セット使用可能だったが、2022年からは当該大会の開催レース数にかかわらず最大2セットに改められた。

 また、他カテゴリーと同様、ピットエリアでの作業時は『予選および決勝レース中、作業エリアにて作業につくチームクルーは長袖、長ズボン等を着用することを強く推奨する』ことが定められている。

2021 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権合同テスト 元嶋成弥(ルーニースポーツ)

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