元交際相手に20年求刑 検察「強固な殺意」 相模川女性遺体

 平塚市の相模川で2014年11月、厚木市の女性=当時(26)=の遺体が見つかった事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われた元交際相手で建設作業員の男(35)の裁判員裁判が22日、横浜地裁(深沢茂之裁判長)であった。検察側は「突発的ではあるが強固な殺意があった」として懲役20年を求刑。弁護側は、殺人罪は正当防衛が成立するとして無罪を主張、死体遺棄罪は執行猶予付き判決を求めて結審した。判決は25日。

 検察側は、遺体の傷から女性は頭部を少なくとも5回、相当強い力で殴られたと説明。また、被告は交際をめぐり、女性の何らかの言動により嫉妬や裏切られたと思ったとし、「殺人の動機は短絡的で、遺棄は死者を冒(ぼう)とくしている」と非難した。

 弁護側は、遺体を解剖した医師の証言は信用できないとし、「検察側は殺人罪の成立を証明しきれていない」と反論。死体を遺棄したことは「パニックになり怖くなったためで、反省している」と述べた。

 被告は最終意見陳述で「冷たい川の中に遺棄してしまい、本当に卑劣なことをしてしまった」と謝罪した。

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