オミクロン株 県内初確認受け 長崎大学病院・泉川教授が会見

海外の事例を紹介する泉川教授=長崎市坂本1丁目、長崎大学病院

 長崎県内で4日に初めて新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」が確認されたことを受け、長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授が5日会見し、「県内でも市中感染は必然的に起きる」と述べ、海外や沖縄、東京のような急激な感染拡大への警戒を呼び掛けた。
 一方、南アフリカや英国の事例を紹介し、流行第5波で猛威を振るったデルタ株に比べ「感染力は上回るものの、重症化や死に至らしめる力は低いのではないか」との見解を示した。
 これまでの流行時との違いについて、抗体薬や治療薬などが使えるようになったことを挙げ、「体調が悪いときは出勤を控えて早く医療機関を受診してほしい」と早期診断、早期治療の重要性を訴えた。
 重症化リスクが低くても感染者数が急激に増えた場合、病床が逼迫(ひっぱく)する可能性にも触れ、本来入院が必要な患者が受け入れられない事態を懸念。高齢者や基礎疾患がある人などは「特に注意してほしい」と話した。
 ワクチンについては「接種しても感染することはあるが、重症化を抑制する効果は高い」とし、3回目について「供給量の問題はあるが、機会が訪れたら打ってほしい。高齢者には特にお願いしたい」と話した。
 県民ができる感染対策としてはこれまで同様、3密(密閉、密集、密接)の回避やマスクの着用、手指消毒、換気などを挙げた。


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