長崎県内の魚市、青果市場で“初競り” 威勢のいい掛け声響く

新鮮な魚が次々と競り落とされた初競り=佐世保市地方卸売市場水産市場(写真左)、初競りでミカンを次々と競り落とす仲買人ら=長崎市中央卸売市場

 長崎県内の魚市場と青果市場で5日早朝、初競りがあり仲買人らの威勢のいい掛け声が響いた。新型コロナウイルス禍で飲食業の苦戦が続き、魚や野菜の価格が低迷しており、関係者は新年の巻き返しを願った。
 長崎魚市場(長崎市京泊3丁目)の初競りは午前5時に開始。天候に恵まれ、入荷量は五島産のヒラスなど前年比196トン増の250トンと好調。縁起物のマダイは1キロ1500円、高級魚クエは同8千円の高値がついた。マスク姿の競り人が声を張り上げ、250種類以上の魚が次々と競り落とされた。初市式は約60人が出席。長崎魚市の多田聖一社長が「新型コロナのオミクロン株流行が懸念されるが、ワクチン接種など対策が浸透し経済が活発化すれば魚価も上向くと見込んでいる」と期待を語った。
 佐世保市地方卸売市場水産市場(相浦町)の初競りは同4時に開始。タイやヒラメ、アジ、サバなど約40種類が並んだ。取扱量は前年比52トン増の172トン。取扱高は同1200万円増の約6千万円だった。新型コロナの影響で初市式は2年連続で中止した。競り開始前に佐世保魚市場の井上正人社長が取扱量の増加などを目指し「水産市場の卸会社としての役割を果たしていく」と述べた。
 長崎市中央卸売市場(田中町)は午前7時から初市式を開催。卸売業、長崎大同青果の加藤誠治社長が「地域の安心安全な食生活と健康増進に貢献していく」とあいさつ。ミカンやイチゴ、ハクサイなどを仲買人が競り落とした。取扱量は野菜が前年比67.6トン減の193.1トン、果物は同13.4トン減の71.1トン。年末の冷え込みが影響し、暖冬だった昨年より収穫時期が遅くなったことが要因とみられるという。

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