横山さん親子 功労表彰 都城大弓の普及に貢献

横山黎明さん(左)と慶太郎さん

 横山黎明(れいめい)弓製作所(都城市)社長の横山慶太郎さん(31)は、2021年度の伝統的工芸品産業功労者として経済産業大臣表彰(奨励賞)を受けた。父の伝統工芸士、黎明(本名・博志)さん(60)も九州経済産業局長表彰(功労賞)を受け、親子での受賞となった。
 奨励賞は伝統的工芸品の後継者で地域社会との交流を通じ、産地振興に貢献した人が対象。横山社長はパンフレットやSNSなどを活用し、都城大弓のPR強化と売り上げ増加を図っている。海外の愛好家にも普及活動を展開し、都城弓製造業協同組合の取り組みの一環で地域団体商標に申請、登録しブランド化に貢献。製作体験などを通じ将来の後継者確保にも努めていると評価された。
 一方、黎明さんは35年以上にわたり都城大弓の製造に従事し、都城弓製造業協同組合理事を長年務め理事長も歴任。竹弓の販路拡大に貢献するとともに自然素材と新素材を融合させたカーボン内蔵竹弓を開発。児童生徒にも都城大弓の魅力を伝えているとされた。
 横山社長は「まずは伝統工芸を認識してもらいたい。伝統にとらわれるだけではなく流行に合わせ、世界を見据えて展開したい」、黎明さんは「地域の伝統の素晴らしさを子どもたちに伝え、もっと普及させ後継者育成に努める」と述べた。

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