ドリス、ムーア、パーラら「求職中」の“元助っ人” ロックアウトで契約進まず

元巨人のパーラ、元阪神のドリス、元ソフトバンクのムーア(左から)【写真:荒川祐史】

リリーフで好成績の元日ハム・マーティンもFAに

労使交渉のもつれから、米大リーグがロックアウトに突入してから1か月余りが経過した。いまだに交渉の行方は見通せず、大リーグ各球団と選手の契約はストップしたまま。新天地が決まらないまま年を超えたFA選手も多いが、その中にはNPBでプレーした多数の「元・助っ人」選手も含まれる。ここでは2021年に大リーグでプレーしたものの、いまだ未契約の主な選手を見ていく。

○クリス・マーティン(35歳、元日ハム)
2019年オフにブレーブスと結んだ2年1400万ドル(約16.2億円)の契約が満了しFAになっている。2016年には日ハムの日本一に貢献。2年間の日本生活ののちに2018年レンジャーズで大リーグ復帰した。昨季は46試合に出場し2勝4敗1セーブ、13ホールドで防御率3.95。

○アダム・コンリー(31歳、元楽天)
昨季楽天と契約はしたものの、コロナ禍が原因で来日できないまま5月に契約解除となった。直後にレイズとマイナー契約し、8月にはメジャー復帰。17試合で勝敗なし、防御率2.29という好成績を残した。昨季の年俸は1年57万ドル(約6600万円)。オフにDFA(チームの40人枠から外す措置)されFAに。

○ラファエル・ドリス投手(33歳、元阪神)
2020年にブルージェイズで24試合に登板し2勝2敗、防御率1.50と活躍した右腕にとって、メジャー2年目は厳しいシーズンとなった。1年150万ドル(約1億7000万円)の球団オプションを行使され迎えた2021年は39試合に投げたものの、防御率5.63で2勝3敗と大幅に成績を落とした。8月にはDFAとなり、マイナーに保有権が移された後、10月にFAとなった。2016年から4年間阪神でプレーし、通算96セーブを挙げた輝きを取り戻せるか。

実績組ムーア、パーラの新契約はどうなる?

○マット・ムーア投手(32歳、元ソフトバンク)
2020年にソフトバンクでプレーし6勝3敗、防御率2.65の好成績を残した。昨年2月に1年300万ドルでフィリーズと契約し大リーグ復帰。ただシーズンでは24試合登板(13先発)で2勝4敗、防御率6.29と結果を残せなかった。3度の負傷者リスト(IL)入りを経験するなどコンディションも完全とは言えず、11月にはFAとなっている。

○ヘラルド・パーラ外野手(34歳、元巨人)
2020年に巨人でプレー、1年で退団すると2021年2月に古巣・ナショナルズとマイナー契約。3Aロチェスターでのプレーを経て6月に大リーグ昇格し、年俸100万ドル(約1億2000万円)の契約を結んだ。ただ53試合で97打数23安打、打率.237と不完全燃焼に終わった。9月以降は出番を失い、11月にはFAに。大リーグ通算1519試合出場という大物の新天地はどこになるだろうか。

一方で、すでに今季の働き場所を確定させた元助っ人も多い。ユリ・グリエル内野手(元DeNA)は昨季打率.319を残し、ア・リーグ首位打者となった。11月には自身のSNSを通じて来季のアストロズ残留が決まったことを明かした。球団がオプションを行使し、年俸は800万ドル(約9億2600万円)だ。広島、ロッテでプレーしたジェイ・ジャクソン投手は昨季途中からジャイアンツに加入。ナ・リーグ西地区を制覇した強豪で23試合に登板、防御率3.74の成績を残すと、オフには球団が2022年の契約オプションを行使。しかしその数日後にDFAとなりブレーブスにトレードされた。

他にも阪神を退団したロベルト・スアレス投手、ソフトバンクを退団したニック・マルティネス投手がパドレス入り(マルティネスの契約は正式発表はまだされてない)するなど、来季から大リーグ復帰を果たす助っ人もいる。今季はどんな姿を、大リーグで見ることができるだろうか。(Full-Count編集部)

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