アロンソ、元僚友ライコネンについて「冷淡な仮面の下に暖かい性格の人柄がある」と語る。F1に対する考え方に共感も

 アルピーヌのフェルナンド・アロンソは、引退したキミ・ライコネンとF1でこれまで長い年月をともに過ごせて幸せだったと語り、“アイスマン”とはこのスポーツに対する面白い見方という点でも共通していたと認めた。

 アロンソとライコネンは、ともに2001年にF1デビューを果たしている。そして、ライコネンが2010年から2年間F1を離れるまで、ふたりはそろってキャリアを積み重ねてきた。

 F1に復帰してから2年後の2014年、ライコネンはフェラーリに移ってアロンソとペアを組んだ。さらにその1年後には、ふたりのドライバーはそれぞれ別々の道へと分かれていき、その後はアロンソ自身が2019年と2020年にF1を離れた。

2016年F1第21戦アブダビGP フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)&キミ・ライコネン(フェラーリ)

「F1デビューを果たしたとき、自分の将来について明確なイメージが持てていたわけではないんだ」と、アロンソはF1のポッドキャスト番組『Beyond the Grid』で語った。

「もちろん、僕たちはふたりともF1で素晴らしい時間を過ごしたし、ふたりとも世界選手権のタイトルを獲得した。けれど、2001年の時点では、そこまでの成功を手にできるという確信は持てていなかったよ」

「とにかく、長い年数をキミとともに過ごせて幸せだった。彼はF1では本当にいいキャラクターなんだ。来年からは寂しくなるね」

 約20年というF1での日々を通してコース上で数多くのバトルを演じてきたアロンソとライコネンは、早い段階から互いに強い尊敬の気持ちを培ってきた。そして、ひとたびコースを離れれば、長年のライバルの冷淡な横顔の下に、実は暖かな人柄が潜んでいるとアロンソは言う。

「彼はとても正直なんだ。駆け引きなどしない。見たままの男だよ」

「我々が感じる、あのとても冷淡であまり人と話したがらないといった仮面のなかには、別の人柄が存在している。それはアイスマンと呼ぶようなものじゃない。とても暖かい性格なんだ。キミの本当の姿を見るには、レース以外のところへ行く必要があるかもしれない」

「彼とはたまに空港で会うし、パドックの外や、レストランでも。パーティーで会うことだってあるよ!」

2021年F1第17戦アメリカGP キミ・ライコネン(アルファロメオ)&フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)

 ライコネンの率直さにはいつも感謝していると語るアロンソは、互いの専門領域についても、しばしば偽りで、際限なく恩恵を受けられるF1世界など、多くの側面において彼とは意見が合うのだという。

「レースが終わった後の彼は、さまざまなテーマについて正直に話ができる相手だ。彼は単刀直入に話してくれる」

「僕は、F1やF1社会についての彼の意見や考え方に共感している。つまり、僕たちがいるここの世界は幻想であって現実ではない、ということだ」

「ここには多くの素晴らしい設備がある。楽な時間を過ごすことができる。豪華な飛行機で移動して、五つ星ホテルに宿泊する。あらゆる人々が僕たちを支えてくれる」

「けれど日曜の夜になれば、僕たちは普通の人間だ。ここの世界がどれほど偽りなのかについて、よく彼と笑い合ったりもしたよ」

2012年F1第16戦韓国GP フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)&キミ・ライコネン(ロータス)
2014年F1第11戦ハンガリーGP フェルナンド・アロンソ&キミ・ライコネン(フェラーリ)
2021年F1第17戦アメリカGP木曜会見 フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)&キミ・ライコネン(アルファロメオ)

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