旧南郷町総合支所跡地に複合施設 日南市が検討

行政機能や市営住宅などの複合的施設にする方向で検討に入った日南市の旧南郷町総合支所跡地

 移転のため現在は使われていない日南市南郷町の旧南郷町総合支所跡地について、市は建物を解体し、行政や商工会などの団体が入居し、市営住宅も入る複合的な建物を整備する検討に入った。人口減少が進む中で行政、住宅機能を集約しコンパクトシティーを目指したい考え。2021年12月に行われた市議会全員協議会で市が明らかにした。
 跡地は敷地面積約3千平方メートル。16年の熊本地震を受け、耐震性の不足から南郷ハートフルセンターに行政機能を移転。同センター内の南郷町地域振興センターで業務を行っている。しかし、南郷の中心部から離れているため、市民から「元の場所に戻してほしい」との声も上がっていた。
 市営住宅は同市南郷町栄松にある「栄松住宅」の移転を想定。1966(昭和41)~78(同53)年に建設。169戸あり、現在71戸が入居しているが老朽化が著しいという。
 このため市は2021年度内に関係団体から入居スペースの規模について聞き取り調査を実施するほか、栄松住宅の現入居者に希望の住み替え先や間取りなどについてアンケートを行う方向。22年度以降に現入居者に対して説明会を開催した後、基本設計を実施する。既存建物の解体工事やその後の建設工事の時期は未定だという。
 市総合戦略課の横山史朗課長は「跡地は南郷の中心的な場所で、今後の利活用が課題だった。複合的な施設にすることによってコンパクトシティーの形成にも資する。人口減少の中で中心地ににぎわいを戻していきたい」と話している。

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