イズミ山西社長に聞く ウィズコロナ時代の展望

新たな変異株の急増で始まった2022年。広島経済の先行きは不透明なままです。

そんなコロナ時代に企業はどう対応していくべきか、地場流通大手イズミの社長にコロナ時代の新たな販売戦略を聞いてきました。

経済界のトップが集まる新年互例会。おととしは、過去最高の1700人が集まりましたが新型コロナの影響で2年連続で中止に。

代わって広島商工会議所が会見を開きました。

広島商工会議所 池田晃治会頭「オミクロン株の感染拡大等により経済の下押しがどのように影響が出てくるのか。基本的には緩やかな回復・成長を続けると予想」

池田会頭は半導体不足や原料の高騰で苦しんだ広島経済も、輸出や生産が徐々に持ち直す見込みだとしました。

イズミ 山西泰明社長「ことしの言葉は『変革と挑戦』でございます。ウィズコロナ、アフターコロナの状態の中で、企業のみなさんが、DXの推進や人材育成、働き方改革等のビジネス変革と挑戦によりまして付加価値向上や成長していただけるように会議所としてサポートをしていく意思の表現です」

創業61年目を迎えた地場流通大手のトップにウィズコロナ時代の展望を聞きました。

イズミ 山西社長「60年というのはちょうど還暦になります。人間でいう還暦なんですが、そういう意味はまた赤ちゃんに戻るという事で、私どもの考え方も会社が一回これでまた0歳になる。ですから今年スタートは0歳の出発という気持ちでいます。

Q外出自粛などコロナの影響で多くの大型商業施設は苦戦した。イズミとしてはいかがでしたか?

山西社長「まったく同様。私も小売りに携わってかれこれ4,50年になるが、お客様に来ていただいては困るという状況の小売りをやったのはこの2年間初めての経験です。いかにお客様に来ていただいて、いかにたくさんの方にそこで喜んでいただくか、これが一番の私どもの願いそれを完全にコロナで全く逆のことが要求されるようになった」

Qコロナによって気づかされたことは

山西社長「このコロナのおかげできちっと基本の安全安心をお客様に提供できるように自分たちの衛生管理をきちっと皆ができるようになった。それからリアルなお店にお越しいただいていたお客様が来られませんので、それがオンラインをやることによって全く今まで来られないお客様が来られるようになった。こういうことも今コロナを経験した中で起きていること。いろんなことがコロナを通じて勉強ができました」

山西社長はコロナの感染拡大前からリアル店舗とデジタルの融合を打ち出していました。

イズミ 山西泰明社長「デジタル化、リアル店舗が中心だったもの、その中にいかにネットビジネスとしての融合をつくっていくか、こういったことの大きなスタートの年になると思う」

去年4月スマホ決済やデジタルクーポンが使える「ゆめアプリ」をスタート。6月にはアプリやネットで注文を受け付ける配送サービスを始め、非接触のニーズに対応しています。

山西社長「アプリを使った新しい販促ということで、従来のマスを中心とした販促から一人一人の販促という形に切り替えていく、これも今回のコロナによってより後押しをしてもらっている状況ですので、どこまでスピードを上げていけるかが今からの一番の課題になる」

業界を取り巻く厳しい環境の中再編の動きが加速していることについてはー

山西社長「再編というのは2つあって、1つはもうだめになった企業を救うという事で再編。そのことよりお互いが持っている強みを一緒にすることで新しいものを作り出す。こういう再編がこれから起こるはずですし私どももそういう考え方で取り組みをしているので、今年以降はそれを期待しているところ」

Qイズミは地場流通のトップをゆくなかで地元経済にとって大きな存在なわけですが2022年の広島経済の展望は?

山西社長「コロナによって価値観が変わりました。従来、インバウンドなどが広島の中では一番目指そうとしていた方向だったが、これが今まったく遮断されてしまった。全く従来とは違う価値観を持った、それぞれの組織なり企業なりがあるいは行政ひっくるめて、そこで新しい融合で生まれてくる価値をどれだけ作れるか第3の道が広島にとっては非常に必要じゃないか」

イズミは「フードドライブ」という取り組みにも力を入れている。家庭で余った未開封の食品を集めて、福祉団体や子ども食堂などに届ける取り組み。

山西社長は、ウィズコロナ時代は第3の道を作ることが重要。地域を掘り下げていけば新しい発見はあると語った。

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