栃木県内でオミクロン株の市中感染 コロナ新規感染は52人

県内の新型コロナウイルス感染者数

 栃木県は7日、新型コロナウイルス「オミクロン株」の感染者を新たに3人確認したと発表した。いずれも県内在住で、このうち20代男性は感染経路が分からず、県は「県内で市中感染が広がっている可能性は否定できない」としている。

 感染拡大による病床逼迫(ひっぱく)を防ぐため、県は同日、オミクロン株感染者を原則入院させる方針を見直し、従来株と同様に重症度に応じて自宅や宿泊施設での療養を認める運用に切り替えた。県内では計52人の新規感染者が確認され、2日連続で50人を超えた。

 県内では5日にオミクロン株の初の市中感染者が判明したが、東京都から帰省直後に発症しており、県外での感染とみられていた。一方、今回、市中感染が判明した20代男性は県内で感染した可能性があるという。判明の経緯や行動歴は明らかにしていない。他に60代男性と50代女性のオミクロン株への感染が判明し、県内の累計は7人になった。

 オミクロン株感染者は全員入院が原則だったが、国が5日、一定の条件を満たせば自宅での療養を認める方針を示した。これを受け、県も入院から自宅療養などに対応を切り替える。

 7日の新規感染者は10歳未満~90代の男女。居住地別では宇都宮市20人、真岡市と下野市が各4人、栃木市、那須塩原市、群馬県が各3人など。宇都宮市内の施設では県内125例目のクラスター(感染者集団)が発生し、1~7日に利用者と職員計16人が感染した。同市保健所によると、換気が悪い空間での接触などが原因とみられる。県内の累計感染者は1万5821人となった。

 宇都宮市では1週間の陽性者数が80人となり、前週の58人から約1.4倍に増加。佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「最大限の警戒と慎重な行動をお願いしたい」とのメッセージを出した。

県内の新型コロナウイルス感染者(7日発表)

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