那須町高久乙の「那須サファリパーク」で飼育員3人がトラに襲われ負傷した事故で、栃木県警は7日、業務上過失傷害の疑いで、容疑者不詳のまま園の事務所を家宅捜索するとともに、事故の起きたベンガルトラ舎の現場検証を実施した。トラが柵のある獣舎でなく展示場に向かう通路にいたとみられる理由も含め、安全管理に問題がなかったか同容疑で捜査する。
県警の捜査員約20人は午前9時半ごろ、園の正面入り口から事務所に入り、飼育手順マニュアルなど関係書類数十点を押収。現場検証も行い、トラと飼育員の位置関係などを確認した。押収した資料を精査し、関係者の聴取を行う方針。
園や県警によると、事故は5日午前8時半ごろ発生。準備作業に向かった1人と助けに入った2人の計3人がトラ1頭に次々とかまれ、重傷を負うなどした。マニュアルでは営業終了後にトラが獣舎に入ったことを確認することになっていたが、4日は確認を怠った疑いがあることが県の立ち入り検査で判明した。
園によると、トラが獣舎に入ったことは担当者2人が目視で確認することになっているが、時間などの記録は義務付けていなかった。
園は再発防止へ対策を進め、準備が整うまで臨時休園するとしている。