飲食街から客の姿消える…沖縄9日からまん延防止 適用前に休業する店も

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が沖縄県内全域へのまん延防止等重点措置適用を正式に決めた7日午後6時すぎ、那覇市内の飲食店街は閑散としていた。久茂地周辺は仕事を終えた人々が早々に帰路に就き、居酒屋は客が全くいないか、いても数組という店がほとんど。9日の重点措置適用を待たずに休業する店もあった。

 「真のナポリピッツァ」が看板メニューの「ピッツェリア・オンダ」を沖銀本店裏で経営する鈴木学さん(45)は、店頭に「7日からお休みさせていただきます」という張り紙を出した。「中3の息子が県外の高校を受験する。もし私が感染したら息子は濃厚接触者になり、飛行機にも乗れなくなる」。鈴木さんは誰もいない店内で黙々と事務作業を進めた。

 年末はにぎやかだった飲食店街も人出はまばら。各店の前には呼び込みを任された店員らが待機していたが、みな手持ち無沙汰だ。

 泡盛を豊富に取りそろえる久茂地の「カラカラとちぶぐゎー」も、客の姿はない。昨年は緊急事態宣言などで半年間も店を閉め、10月にようやく再開したばかり。まん延防止等重点措置によって9日以降はまた営業時間を短縮せざるを得ない。店員の長嶺陽子さん(55)は「うちみたいな店はお酒を飲んでもらわないと利益はないが、8時までしかお酒を出せなくなる。1週間くらい様子を見て、続けるかまた閉めるか考えたい」と声を落とした。(稲福政俊)

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