初沢亜利 最新写真集『東京 二〇二〇、二〇二一。』発売記念写真展「匿名化する東京」、1月11日(火)より開催!

昨年12月18日に徳間書店より発売された、 写真家・初沢亜利氏の最新写真集『東京 二〇二〇、 二〇二一。 』の発刊を記念し、 日本橋小伝馬町のギャラリー「Roonee 247 Fine Arts」にて、 写真展「匿名化する東京」を1月11日(火)より開催。 初沢氏は2020年始めから2021年末までコロナ禍に見舞われた東京を歩き回り、 撮影を続けた。 その間、 東京五輪、 衆院選、 様々な出来事が厳戒態勢の首都に起こり、 そのさなかを初沢氏は独自の視座でその空気感を切り取った。 写真展の名前に「匿名化」という言葉を使ったことに関して、 初沢氏はこう言う。 「写真展タイトルに即して撮影した訳ではなく、 月日の中でふと湧いて出た印象でした。 コロナ禍以前からマスクの使用率は上がっていましたが、 2022年以降、 マスクを着用していないと不安に駆られる人が増えることでしょう。 『世間の目だけが行動規範となり得る』と戦前から指摘され続けた日本人論を、 我々はコロナ禍で見事に体現してみせたのだと思います。 同調圧力批判を口にはしながら、 誰もが圧力の内側に留まったのですから」。

その象徴たる写真が、 今回の写真展のタイトル写真でもある、 渋谷スクランブルスクエア屋上展望台の「渋谷SKY」にて、 マスクをしながら顔を覆う若い女性2人という構図だ。 「マスクをしても尚、 顔を隠しスマホで自撮りをする彼女たちは、 先端を行っているのだろうか? と自問するときがあります。 写真は現在を歴史に置き換える作業ですけれど、 コロナ禍東京の自画像がどのように未来を予見するか、 撮影者にとっても興味深い情景でした」 会場内には写真集未収録カットも多数展示。 史上稀な緊急事態下の東京に触れてみよう。

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