<レスリング>サウジアラビアでも女子レスリングの“芽”…オリンピック・メダリストが指導

 

サウジアラビアで行われたUWW女子コーチ・クリニック=提供・UWW

 宗教上の理由により、イランとともに女子レスリングの発展に多くの困難があるサウジアラビアでも、女子レスリングが芽生えつつあることが分かった。

 世界レスリング連盟(UWW)は先月中旬、サウジアラビアの首都リヤドで女子のコーチクリニックを開催。全国から約20人の女性が参加し、レスリングを学んだことを報じた。

 指導者は、全米ナショナルコーチを長く務めていた2008年世界チャンピオン(2012年ロンドン・オリンピック銅)のクラリッサ・チャン(米国)と、2016年リオデジャネイロ・オリンピック58kg級でアフリカ女子初のメダリスト(銅)となったマルワ・アムリ(チュニジア)

 チャン・コーチは「この国の女性が持っているエネルギーと熱意に驚いています。このクリニック以前にレスリングの経験をした参加者はいませんでした。しかし、彼女らは非常に熱心に学び、短期間で重要なポイントを習得しました」と話した。

オリンピック・メダリストの講義を聞くサウジアラビアの女性=同

 同国レスリング連盟は「私たちは、長年、男子のレスリングをやってきました。女性がレスリングに参加するのはこれが初めてです。まず始めなければならなかった」と、UWWは「この活動を運営してくれたサウジアラビア・レスリング連盟に感謝します。ここのクリニックに参加した女性は、新たな道を歩み、レスリングの知識を深めるでしょう。サウジアラビアに、すぐに女性レスラーが誕生するでしょう」と、それぞれコメントした。

 ただ、実施されたレスリングが、オリンピック・スタイルなのか、イランを中心に行われているクラシック・スタイルなのかは、UWWサイトに記述や写真がない。

 同国は、今年6月に予定されているU23とU17(旧カデット)のアジア選手権の開催地に立候補している。

 

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