「すごく違和感があった」 DeNA期待のドラ1小園、プロ生活の一抹の不安とは?

新人合同自主トレで汗を流したDeNA・小園健太(中央)【写真:宮脇広久】

最速152キロの速球と多彩な変化球 高卒新人離れした完成度

DeNAの新人合同自主トレが8日、神奈川・横須賀市の「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」で始まり、ドラフト1位の小園健太投手(市和歌山高)も始動した。18歳にして最速152キロの速球に加え、カットボール、ツーシーム、チェンジアップなど多彩な変化球も駆使する完成度の高い右腕。「1軍に入るためにやっているわけなので頑張っていかないといけない」とキャンプ1軍スタートへ意欲を示した。

昨年10月のドラフト会議では、ソフトバンク・風間(ノースアジア大明桜高)、日本ハム・達(天理高)、阪神・森木(高知高)を含め4人の高校生投手が1位指名されたが、阪神との競合の末にDeNAが交渉権を引き当てた小園の評価は高い。

NPBでは昨季、高卒2年目の投手が一斉にブレークした。ヤクルト・奥川がリーグ優勝と日本一に貢献し、オリックスの宮城も13勝と防御率2.51(いずれもリーグ2位)でチームの25年ぶり優勝の原動力となった。ロッテ・佐々木朗も3勝を挙げ、阪神・及川もリリーフで39試合に登板し存在感を放った。小園も2軍で長く下積み期間を過ごすつもりはない。

この日は、背番号「18」の先輩である三浦大輔監督が視察に訪れていた。「プロで2年、3年とやっていくうちに壁にぶち当たるだろうが、その時に今の気持ちが力になってくれる。どういう気持ちでこの横浜に来たのかを忘れず、プロの生活をスタートさせてほしい」とゲキを飛ばした指揮官に対し、小園も「やってやるぞという気持ちがあるので、初心を忘れずにやっていきたい」と応じた。

ロッテのドラ1・松川の“抱き枕”は「抱いて寝てはいないです」

一方で、三浦監督は「僕は新人の頃、奈良(高田商高出身)から出てきて、修学旅行も東京だったので、横浜ってどういうところだろうという不安があった」と明かした。小園も前日に実家のある大阪・貝塚市から父親が運転する車で横浜へやってきた。「寮生活は初めて。自分1人の部屋に帰ることに、すごく違和感があった」と不安をのぞかせる。

慣れない1人暮らしの励みとなりそうなのが、オリジナルの抱き枕である。ロッテ1位指名の松川虎生捕手とは、中学時代に所属した貝塚ヤング、市和歌山高を通じてバッテリーを組んだ仲。貝塚ヤングの関係者から松川の等身大写真がプリントされた抱き枕をプレゼントされ、松川にも同様に小園がプリントされた物が贈られている。小園は「抱いて寝てはいないです」と苦笑したが、親友が寂しさを紛らわせてくれたかもしれない。

「試合を見られることはあっても、練習をこんな(首脳陣、ファン、報道陣などに)見られるのは初めてなので緊張しました」と新人合同自主トレ初日の感想を語った小園。三浦監督はドラフト6位入団だったが、高卒1年目の1992年10月にはリリーフで1軍デビューを果たし、プロ生活25年のスタートを切った。小園はエース候補の1年目をどう過ごすのだろうか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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