オミクロン疑い20代感染者、保健所から連絡なく…本紙に語った症状や不安

 6日に新型コロナウイルス感染が判明した県内に住む公務員の20代後半の男性が本紙の電話取材に応じた。男性はオミクロン株だと確定していないものの、時期的にオミクロン株の疑いがある。保健所からは感染判明後、濃厚接触者の調査のための連絡はなく、自分の周囲に感染が広がっていないか不安を抱えている。
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 男性は今月5日にPCR検査を受け、6日に保健所からの連絡で感染を知った。症状はなかったが、年末年始に那覇市の実家に帰省、友人と会食する機会もあったため、仕事始めを前に念のため、陰性を確認するつもりだったという。

 ワクチンは昨年8月と9月に2回接種済みで「ブレークスルー感染」だった。実家から戻り、自宅療養している。

 保健所からは6日、周辺の濃厚接触者を洗い出す「行動調査」のため「また連絡する」との話があったが、8日までに連絡はない。新型コロナは、発症の2~3日前から人に感染させるとされる。男性はその間、休みを取っており、職場に少し顔を出した程度だった。「あまり人と接触の機会はなかったので大丈夫だと思うが、自分の不安より、周囲に感染が広がってしまっていたらと不安だ」と打ち明ける。

 男性の症状は軽く、6日から喉がイガイガする感じや鼻水、せきがあり熱は37度近くに上がった後、すぐ平熱に戻った。「コロナ、と言われなかったら職場に行くくらいのレベル」と話す。

 年始には親戚宅にあいさつに行き、出された料理に少し口をつける程度でそれ以外はマスクもしていた。手指消毒など基本的な感染対策はしていたといい、どこで感染したかは分からない。

 年末から県内の新規感染者が増えつつあったが、感染は「ひとごとだった自分がいたかもしれない」と振り返る。

 感染者の急増について、「米軍との関わりがあるかもしれないが、生活の仕方が緩んでいるところもあったかもしれない」と悔やむ。

 保健所からは、職場復帰は「発症から10日たってPCR検査が2回陰性になってから」と言われた。自宅でリモートワークもしているが、「いつ仕事に戻ることができるのか、その不安が一番大きい」と吐露する。

 去年は3連休で新成人ら100人以上が感染した。今年も集まる機会が増えれば、さらに感染の拡大が懸念される。

 男性は若い世代に「ちょっとした体調不良は感染しているサインかもしれない」と注意を呼び掛ける。「感染して一歩間違えれば、父母や祖父母などにうつすかもしれない。今まで言われている対策を徹底するしかない。自分のことより、自分が感染した後の周囲への影響を考えて行動してもらえたら」と語った。

 (中村万里子)【関連ニュース】
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