九州新幹線長崎ルート導入の列車「かもめ」 海上輸送で長崎入り、西海橋くぐる

タグボートに引かれ西海橋の下を通過する新幹線「かもめ」の車両=西海市西彼町

 秋に部分開業する九州新幹線長崎ルート(武雄温泉-長崎間=約66キロ)を走る列車「かもめ」が8日、海上輸送で針尾瀬戸(長崎県佐世保市、西海市)を通過し、大村湾に入った。海峡に架かる西海橋、新西海橋には多くの鉄道ファンが詰め掛け様子を見守った。
 6日に山口県下松市の日立製作所笠戸事業所を出発し関門海峡や玄界灘、平戸瀬戸を経て8日午前8時半過ぎ、針尾瀬戸に姿を見せた。かもめを載せた台船を引くボートが汽笛を数回響かせ、渦潮の名所をゆっくりと航行。西海橋や展望台に陣取った鉄道ファンがその姿をカメラやスマートフォンで撮影していた。
 佐賀県伊万里市から訪れた会社員、西田勝一郎さん(48)は「(海上輸送の報道を見て)この目で見たいと駆けつけた。橋の真下を通過したのは夢のような光景だった」と感激した様子だった。
 かもめは今後、陸揚げされ、陸路で大村市の車両基地に運ばれる。車両は東海道新幹線の「N700S」をベースとした6両編成の396人乗り。


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