オーストラリアで女性プロ野球選手がデビュー 17歳のサウスポー

現地時間1月7日、オーストラリアン・ベースボール・リーグ(ABL)に新たな歴史が刻まれた。ABL史上初の女性投手としてメルボルン・エーシズのジェネビーブ・ビーコム投手がデビューしたのだ。アデレード・ジャイアンツとの試合に登板した17歳の左腕・ビーコムは6回に登板し、1イニングを無失点に抑える好投。速球とカーブのコンビネーションで相手打者を封じた。ABLは現役メジャーリーガーもプレー経験のあるリーグであり、メジャーリーグ公式サイトは「ABLでプレーすることは小さな業績ではない」と伝えている。

メルボルン球団の公式サイトによると、ビーコムは先頭打者に出塁を許したあと、次打者をゴロアウトに打ち取ってまず1アウト。四球でピンチを広げたものの、続く2人の打者をゴロアウトとフライアウトに仕留め、客席からの歓声を浴びたという。メルボルン球団は1対7で大敗したが、ビーコムのデビューと好投はチームにとってこの試合における数少ないハイライトとなった。

ABL公式サイトによると、ABL経験のあるメジャーリーガーは41人いるという。そのなかにはオーストラリア出身で現在メジャートップクラスのクローザーであるリアム・ヘンドリックス(ホワイトソックス)のほか、ディディ・グレゴリアス(フィリーズ)、ケビン・キアマイアー(レイズ)、崔志萬(チェ・ジマン:レイズ)、アダム・エンゲル(ホワイトソックス)、アンドリュー・キットレッジ(レイズ)、リース・ホスキンス(フィリーズ)、ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)、菊池雄星(FA)など現役バリバリのメジャーリーガーも多数含まれている。メジャーリーグ公式サイトが伝えているように、このリーグの舞台に立つことは決して簡単なことではないのだ。

ビーコムは「もし誰かがあなたのやりたくないこと、たとえばソフトボールとか他のスポーツをやれと言ってきたとしても耳を貸してはいけません。やりたいことをやり、一生懸命に努力すれば、必ずどこかで成功できます。不可能ではありません。できるんです」と同じ夢を持つ若い女性たちにエールを送った。また、メルボルン球団の監督を務める元メジャーリーガーのピーター・モイランは「野球で目撃したことのなかで最も気に入ったことの1つ」とツイートし、ビーコムのデビューを祝福した。

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