大山登山「最後まで緊張感持って」 事故注意特化の看板設置 救助の際の通報場所より正確に

伊勢原市消防本部の職員らが設置した事故への注意喚起を呼び掛ける看板=昨年12月22日、伊勢原市大山(同市提供)

 大山(標高1252メートル)での山岳事故を防ごうと、神奈川県伊勢原市が登山道に事故への注意喚起を呼び掛ける看板5枚を設置した。それぞれにアルファベットを記しており、事故発生時には登山客が現在地をより正確に消防や警察へ伝えることで、迅速な救助活動につなげたい考えだ。

 看板は縦30センチ、横45センチの金属製で、市消防本部や商工観光課の職員が昨年12月22日に設置した。

 大山登山道内の男坂と二重滝付近に1カ所ずつ、見晴台-山頂間に3カ所の計5カ所で、いずれも滑りやすかったり迷いやすかったりする場所といい、過去に山岳事故が起きた場所もある、という。

 大山では昨年11月21日、山頂付近で下山途中の男性が滑落して死亡する事故が起きた。市が管轄する登山道内には山火事への注意喚起を促すとともに、現在地が分かる看板を計55カ所に設置しているが、事故注意に特化した看板はなかったため、新たに設置した。

 市消防本部の担当者は「滑落事故は登りよりも下りの方が多い。最後まで緊張感を持って登山してほしい」とした上で、「看板を増やしたことで通報場所がより正確になる。要請があった場合はスムーズな救助につなげたい」と話している。

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