同数の通算319本塁打で引退したフィルダー親子 公式サイトが特集

メジャーリーグ公式サイトのサラ・ラングス記者は、セシル・フィルダーとプリンス・フィルダーの親子に関する特集記事を公開した。フィルダー親子は全く同じ通算本塁打数を記録して現役を引退。0本や1本、2本という話ではなく、両者とも球界を代表するパワーヒッターとして活躍し、通算319本塁打で引退したのだ。ラングス記者はこの数字に着目し、通算319本塁打に至るまでの軌跡やその他の特筆すべき記録など、様々なトピックスを紹介している。

2人揃って通算319本塁打を記録したフィルダー親子だが、そこに至るまでの道のりは大きく異なっている。父セシルは1985年にブルージェイズでメジャーデビューしたものの、最初の4シーズンで31本塁打。1987年に82試合に出場して14本塁打、OPS.905をマークしたのがキャリアハイという状況だった。しかし、1989年に日本プロ野球の阪神タイガースで106試合に出場して38本塁打という活躍を見せると、メジャー復帰を果たした1990年はタイガースで51本塁打、132打点、OPS.969という大活躍。ここから2年連続で本塁打王、3年連続で打点王に輝き、1998年に34歳で17本塁打を放って引退するまで、通算319本塁打をマークした。

一方の息子プリンスは2002年ドラフト全体7位指名を受けたエリートだった。2005年にメジャーデビューし、2007年には50本塁打を放って早くも本塁打王のタイトルを獲得。2009年には自己最多の141打点で打点王に輝き、2006~13年の8年間で記録した283本塁打はアルバート・プーホルス(291)、ミゲル・カブレラ(287)、ライアン・ハワード(287)に次ぐメジャー4位の数字だった。ところが、タイガースからレンジャーズへトレードされた1年目の2014年に首を故障して長期欠場。2015年は158試合に出場して23本塁打を放ったが、2016年に首の故障が再発し、大型契約を残したまま32歳の若さでメジャーでのプレーを終えた。快調に積み重ねていた通算本塁打は結局、父と同数の319本どまりだった。

フィルダー親子は通算本塁打数だけでなく、メジャーデビューした年齢(21歳)も同じ。また、走者2・3塁の状況(4本)、4回の打席(49本)、5回の打席(29本)、9回の打席(18本)、2アウトの状況(97本)、2アウト未満の状況(222本)といった様々なシチュエーションでも同数の本塁打を記録している。なお、親子揃ってシーズン50本塁打を記録したのはメジャー史上唯一。シーズン40本塁打のコンビも他にゲレーロ親子がいるだけだ。息子ブラディミール・ゲレーロJr.は今後シーズン50本塁打を達成する可能性があるものの、父ブラディミール・ゲレーロは44本塁打が自己最高であり、「シーズン50本塁打を記録した史上唯一の親子」の座はしばらく安泰だろう。

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