トヨタ 新型ランドクルーザー300は納車まで年単位の時間を要するほど大人気となっている。だが、車両価格が510万円〜と高価格帯であるために、購入を躊躇するユーザーも少なくないはずだ。一方で、ランドクルーザー300のリセールバリューは5年後でも約6割と非常に高いのだった。そこで今回はランドクルーザー300よりも少し安いクラウンの売れ筋グレードと比較して、ランクル300のリセールバリューがいかに高いのかを検証していこう。
新型ランドクルーザー300はリセールバリューの高さも人気の理由
2021年8月にフルモデルチェンジされたトヨタ 新型ランドクルーザー300。510万円〜という高級車にも関わらず、納車時期は数年後という空前のヒットとなっている。
新型ランドクルーザー300が大人気車となっている理由のひとつに「クルマを処分する際のリセールバリューが非常に高い」という点が挙げられる。要するに、長い目で見れば意外に少ない出費で頂点の1台となるSUVに乗れるというワケだ。
今回は新型ランドクルーザー300と同様に、高額車の代表格であるクラウンの2.5リッターハイブリッドを基準に、「ランドクルーザーは長い目で見れば本当に安いのか?」を考えてみた。
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【新型ランクル300 VS クラウン】乗り出し価格は新型ランドクルーザー300が圧倒的に高いもリセールバリューを加味すれば出費はクラウンより安く済む可能性大
新型ランドクルーザー300の3年後のリセールバリューは驚異の7割超え!
まず新型ランドクルーザー300から見ていこう。標準系の最上級グレードとなるZX(ディーゼル車で760万円)の乗り出し価格は、ディーラーオプションのフロアマット、ETC、Tコネクテッドナビを付けても、ざっと795万円である。理由としては、クリーンディーゼルということで税金関係が意外に安いためである。
795万円から数年後の査定(=リセールバリュー)を引いたものが、長い目で見た大雑把なランドクルーザーに乗るための出費となるワケだ。
新型ランドクルーザー300ZXディーゼルの査定の基準となる残価設定ローンの最終回支払額は3年後は509万2000(74%)。5年後では402万8000円(58%)と非常に高い。ちなみに残価設定ローンは頭金無しで計算する。
結果795万円から数年後の査定を引き算し、期間で割った1ヶ月あたりの出費は3年間36ヶ月だと現金一括支払いの場合7万9400円、残価設定ローンであれば10万4900円となる。
5年60ヶ月だと現金一括払いだと6万5000円、残価設定ローンであれば8万8800円という計算になるのだ。
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対するクラウンの3年後残価率は約5割をマーク
一方クラウン2.5ハイブリッドも最上級グレードのRSアドバンス(597万9000円)で同様の計算をすると、乗り出し価格は625万円だ。
クラウン2.5ハイブリッドRSアドバンスの査定は3年後は275万円(51%)、5年後であれば173万4000円(32%)となる。ランドクルーザーほどではないが、他のモデルよりもクラウンはリセールバリューが高いのだった。
そして625万円から査定を引いた1ヶ月あたりの出費は3年間36ヶ月だと現金一括支払いだと9万9700円、残価設定ローンであれば10万6000円となる。5年60ヶ月だと現金一括払いの場合7万5000円、残価設定ローンは7万8400円という計算だ。
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乗り出し価格は高いが、トータルでは新型ランドクルーザー300に軍配
つまり、3年のスパンなら新型ランドクルーザー300はリセールバリューの高さにより、乗り出し価格が170万円安いクラウンよりも本当に安く済むのだ。
5年のスパンでも現金一括払いならクラウンより安く、残価設定ローンだと月約1万円高いものの、車両価格や乗り出し価格を考えると意外に大差ないというのが結論だ。
また、ランドクルーザーは超人気車なので数年後の査定が現在の想定を上回るということも珍しくないようなので、机上の計算よりも総支払い額が安く済む可能性もある。
巨大なボディや盗難リスクはあるが、新型ランクル300はオススメしたい一台
もちろん、ランドクルーザーを自分のものにするというのは巨大なボディサイズや大人気車だけに盗難に対する注意といった扱いなど、誰にでも勧められることではないのも事実だ。
しかし、「ランドクルーザーに一度乗ってみたい!」といった強い気持ちや所有できる環境があるなら、納期はいつか分からないにせよ、長い目で見た出費が意外に高くない点も加味して無理のない支払いとなるのであれば、購入を強くススメたい。
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同時に例に挙げた新型ランドクルーザー300とクラウンだけでなく、リセールバリューも考慮した長い目で見た出費で考えると、同じジャンルでも1クラス上のクルマや違うジャンルのクルマでも意外に出費が変わらないというケースも少なくないのだ。
クルマを選ぶ際にはぜひいろいろ見て、本当に自分に合ったものを見つけて欲しい。
【筆者:永田 恵一】