菅前首相、グループ結成に意欲 「縦割り」打破へ30人

菅義偉前首相

 菅義偉前首相(衆院神奈川2区)は10日までに神奈川新聞社のインタビューに応じ、「行政の縦割り打破」を目指す議員グループの結成に意欲を示した。安倍晋三元首相が最大派閥(95人)を率い積極財政路線を打ち出す中、財政健全化論者の菅氏が動き出すことで自民党や政権内での政策論争が高まるのは必至だ。
 
 坂井学前官房副長官(5区)が率いる「ガネーシャの会」(約20人)、島村大厚生労働政務官(参院神奈川選挙区)がまとめる参院有志の会(約10人)など菅氏の内閣を支えてきた無派閥議員約30人がメンバーとなる見通し。旗揚げの時期は本年度内や参院選の前後などが浮上している。

 同党幹部によると、二階俊博元幹事長の派閥(44人)や森山裕前国会対策委員長の派閥(7人)などからの参加も見込まれ、規模はさらに膨らむ可能性も高い。

 菅氏は「政策ごとに人が集まってくるのが一番健全。政策目標としては行政の縦割りを打破すること」とした上で、新型コロナウイルスのワクチン接種、ダムの防災運用といった縦割り解消の実例を列挙。「縦割りのためできないことを見つけ出して壊して、国民の命と暮らしを守る」とグループ化の意義を説明した。

 財政健全化については「旗は降ろさない」と明言。「経済あっての財政との前提で改革を促したい」と軸を示した。

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