リカルドは「チーム内に素晴らしい雰囲気を作り出した」とマクラーレンF1。レース以外での貢献も称賛

 マクラーレンF1チームでのダニエル・リカルドの最初のシーズンにおいては、結果の面でチームとドライバーが期待したすべてがもたらされたわけではなかったかもしれないが、エグゼクティブレーシングディレクターのアンドレア・ステラは、リカルドの舞台裏での貢献を称賛している。

「ダニエルはさらなる結果を出すと、我々には分かっている」と先月ステラは報道陣に語った。

「この点において私は非常に楽観的だ。また、彼と仕事をするのは実に楽しいことだと言わせてほしい」

「彼はチームに本当に素晴らしい雰囲気を作り出しているし、そのことが技術とドライビング開発のいい基礎になっている」

 リカルドはルノー(現アルピーヌ)で2シーズンを過ごした後、2021年にマクラーレンに加入した。しかしMCL35Mの理解に苦戦し、予選でその性能を引き出すことができず、結果としてレースパフォーマンスも落とすことになってしまったとリカルドは認めている。

 しかしリカルドはイタリアGPでチームメイトのランド・ノリスを上回り、移籍後の初優勝を飾った。チームにとってはワン・ツーフィニッシュの結果となり、2012年以来の勝利がもたらされた。

2021年F1第14戦イタリアGP 移籍後、初優勝を飾ったダニエル・リカルド(マクラーレン)

「シーズンを通しての進歩は明白だった。サウジアラビアGPを見てもそうだ。情報が少ないようなので言っておきたいが、彼は予選では非常に速かった」

「Q1で彼は3番手のあたりだった。その後のQ2では縁石でマシンにダメージを受けたので、ダニエルは競争から脱落してしまった。そうでなければ、サウジでの彼の予選パフォーマンスは非常に強力だったはずだ」

 それでも、ドライバーズ選手権でノリスはリカルドに45ポイント差をつけており、チームはコンストラクターズ選手権で3位の座をフェラーリに奪われてしまった。自分自身について2021年の評価を尋ねられたリカルドは次のように語った。

「シーズン前半はおそらく4点で、後半は7点かな」平均で“最大”5.5点を受け入れたリカルドは、それは「努力不足によるものではない」と付け加えた。

 しかしステラは、2022年にリカルドはさらに優れた結果を出すだろうと主張した。「我々には開発計画のようなものがある。ダニエルと来年何ができるか楽しみにしている」

2021年F1第21戦サウジアラビアGP ダニエル・リカルド(マクラーレン)

 また、リカルドのパーソナルパフォーマンスコーチは、彼がF1の頂点に戻るために必要な自信を今も持っていると確信している。

「いつの日か世界タイトルを獲得することは、100%の目標だ。それは最初の日から常に目標だった」とマイケル・イタリアーノはイギリスのタブロイド紙『Daily Express』に語った。

「彼には世界チャンピオンになる十分な力があることを確信しているし、彼は自分が最高であることを心から信じている。十分優れたマシンがあれば、彼は(タイトルの獲得を)実現させるだろう」

 またイタリアーノは、開幕が遅れた2020年シーズンのスタート直前にマクラーレンからアプローチを受けたリカルドは、ルノーを2年で離れるという正しい選択をしたと主張した。

「それはダニエルが下した決定で、私は関与していない。私は彼が準備できるようにここに控えているだけだ。それがいい動きだと思ったかって? そう思ったよ。もちろんルノーに他意はないが、このチームが持つ信念を私は分かっている」

「これまでのところ、私とマクラーレンの仕事は前向きなことしかない。彼が正しい選択をしたと思うと、簡単に言えるよ」

 最後にイタリアーノは、リカルドのモンツァでの勝利が、全員を大きく後押ししたと述べた。

「あの勝利は『クールだ、これが僕が加入した理由だ。なぜなら勝てる可能性のあるマシンが欲しかったからだ』と話すのに素晴らしいやり方だったね」

2021年F1第16戦トルコGP ダニエル・リカルド(マクラーレン)
2021年F1第20戦カタールGP ダニエル・リカルド(マクラーレン)

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