コロナ感染急拡大で… 東京都が対策強化、商店街や飲食店に影響

国や東京都は新型コロナウイルスの第6波に備え、新たな取り組みや方針を示しました。止まらない感染の急拡大に、東京都の小池知事は大災害に例えて危機感をあらわにしました。こうした中、東京都は1月11日から都立施設の休業など対策の強化を始めました。再び出された対策に、商店街や飲食店では大きな影響が出ています。

感染の急拡大に小池知事は「首都直下地震と同様、多くの事業や社会活動の停止の状況が危惧される」と述べ、大地震を引き合いに出して危機感を示しました。また、流通や学校などの社会活動の基盤そのものが揺らぐ恐れがあるとし、事業者に対して損害を最小限に抑える「事業継続計画」の見直しを求めました。一方、岸田総理大臣は3回目のワクチン接種について、3月以降は一般の人に対する接種を前倒しする方針を示しました。高齢者へのワクチン接種もさらに前倒しするとともに、これまで接種の対象となっていなかった12歳未満の子どもについては「希望者にできるだけ早くワクチン接種を開始する」と表明しました。自衛隊による大規模接種センターを再び設置することも明らかにし、外国人の新規入国を原則禁止する水際対策については、人道上・国益上の観点から必要な措置を行いつつ、2月末まで継続する方針を表明しました。

こうした中、東京都は1月11日から都立施設の休業など対策の強化を始めました。休業の対象は上野動物園や葛西臨海水族園などで、図書館や都立公園は対象外です。ただし、対象となっている上野動物園では12日から双子パンダの一般公開が予定されていて、抽選結果が発表されていた12日から14日の観覧分については当選者を対象に受け入れる予定です。

双子の一般公開と合わせて上野の街を盛り上げようとイベントを企画していた上野観光連盟の二木忠男理事長は、今回の休業の判断について「商店街ではイベントも考えていたが、このような状態になってしまい、盛り上がりを目指したものができなくなって非常に残念」とした上で「多くの人に来てもらい、かわいいうちにパンダを見てもらいたい。何とか現状を乗り越えて、春に向けて新しい人の流れが生まれてくる期待は持っています」と話し、期待も捨ててはいないと言います。

一方、港区新橋にある「根室食堂」では、12月はコロナ前の8割まで客足が回復していたといいます。しかし1月7日に東京都が飲食店の人数制限を「1グループ8人から4人以内」へと変更することを発表した直後から影響が出てきたということです。5人以上の予約だけでなく、少人数のお客からもキャンセルの電話が相次いだといいます。平山徳治店長は「人数制限ではないと思う。感染者数が増えれば、比例してお客さまは来ない。今、人数制限を政策として打ち出すのはちょっと違うのではないか」といいます。また、協力金や罰則規定がない東京都の対策にも不満があるとして「延長延長で、当たり前のように2月・3月も引き続き、ただ『お願いします』というだけでは、3月ぐらいで店もつぶれてしまい兼ねない。資金援助ができないのであればせめてあっせん融資など目先のお金に心配を掛けないような政策をセットでやってもらわないと困る。これは『お願いベース』というよりも生殺し」と訴えています。

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