東京五輪・パラの選手村に使用した「県産ヒノキ」 諫早に到着 JR長崎駅など ベンチに再利用へ

ベンチに再利用するため荷降ろしされる県産ヒノキ=諫早市、髙島建設工業

 東京五輪・パラリンピックの選手村に使われた長崎県産ヒノキが大会組織委員会から本県に返却され、11日、諫早市の木材加工会社に到着した。今後、ベンチに再利用し、県内市町の公共施設や新幹線が部分開業するJR長崎駅に設置される。
 県は東京五輪・パラリンピックの関連事業「日本の木材活用リレー みんなで作る選手村ビレッジプラザ」プロジェクトに参加。諫早、大村、雲仙各市で産出されたヒノキ約14立方メートルを貸与の形で大会組織委員会に提供し、選手村の床材などに使用された。選手村解体に伴い、県に返却された。
 提供の際、木材に加工した髙島建設工業(小野島町)に大型トラックが到着。荷降ろし作業があった。今後、同社でベンチ(幅1.1メートル)に加工。計28台を希望する自治体などに県が寄贈し、体育館や運動公園など子どもも多く利用する公共施設で再利用される。
 ベンチ作りにはボランティアの学生らも参加する予定で、同社の髙島正太郎常務(42)は「コロナ禍の大変な状況の中で開催された東京五輪・パラリンピックの成功を願っていた。選手村で利用されたことをうれしく思う。スポーツに志を持つ子どもたちにベンチを通じてそのことを伝えるとともに、県産木材に親しむ機会になれば」と話した。


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